研究課題/領域番号 |
21K11884
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60070:情報セキュリティ関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
菅原 健 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (60785236)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | セキュリティ / 光音響効果 / レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は,先の研究において,レーザーを照射することでマイクに音声信号を挿入し,スマートスピーカーなどに無音で音声コマンド挿入を行うシグナルインジェクション攻撃であるライトコマンドを発見した.本研究では,ライトコマンドを一般化し,光が振動を生じる物理量変換(光音響効果) を伴うシグナルインジェクション攻撃とその対策を研究する.光が振動に変換される物理メカニズムの解明するとともに,また,ライトコマンドを再現するシミュレーションモデルを構築する.また,その結果を対策法と攻撃の両方に応用する.以上により,セキュリティ技術,レーザー応用技術,および MEMS 技術にまたがる学際的な研究領域を創出する
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研究成果の概要 |
ライトコマンドを生じうる物理メカニズムとして,(i) 熱弾性効果, (ii) 熱ピストン効果, (iii) 光電効果を洗い出した.その上で,各項目の寄与を同定するための実験を設計し,市販の MEMS マイクロホン 8 種を評価した.第一に,3種類の効果のうち,いずれでもライトコマンド脆弱性を生じうることが分かった.第二に,マイクロホンごとに,いずれの効果が優位になるかに大きな違いがあった.すなわち,マイクロホンの内部構造や製造方法によって, 主要因が容易に変わりうることが分かった.以上の結果を元に,ライトコマンド対策への提言と,別のセンサに攻撃が拡大する可能性について考察した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,遠隔にいる攻撃者が,音声アシスタントに無音で音声コマンドを挿入する攻撃(ライトコマンド)に関するものである.この脆弱性は,MEMSマイクが意図せず光に感度を持つことによって生じる.本研究成果は,光が振動に変換される物理メカニズムを明らかにした.本成果は,ライトコマンドへの対策構築に必要な基礎を与える.また,同じメカニズムにより脆弱になりうるセンサを先回りして検出することができるようになる.
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