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非一様なデータに対し安全性と効率を両立する情報理論的に安全な暗号技術に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K11894
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分60070:情報セキュリティ関連
研究機関法政大学

研究代表者

尾花 賢  法政大学, 情報科学部, 教授 (70633600)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード非一様確率分布 / 確率的符号化 / 一意復号 / 情報論的安全性 / 認証符号 / 一様性 / 情報理論的安全性 / 非一様データ
研究開始時の研究の概要

本研究は,情報理論的安全性の達成を目的とする多くの暗号技術において,特に保護対象となるデータの確率分布が一様でない場合の各種データサイズの上界と理論的下界のギャップを縮めることを目的とする.ギャップを縮める目的の下,Uniform Prefix Encoding (UPE)という新たな符号化方式の開発を行う.UPEは,任意の確率分布に従うビット列を入力とし,出力ビットの前半部の多くが一様分布となることを保証する符号化法であり,UPEを暗号技術の前処理に用いることにより安全性と効率を両立することが見込まれ,従来存在していた下界と上界のギャップを縮める目的を達成する技術となることが期待される.

研究実績の概要

以下の4条件を満たす符号化方式である (L,L+1,L)-UPE (UPE: Uniform Prefix Encoding)のソフトウェア実装を行うとともに,アルゴリズムの改良を行った.(1) 符号化 前の入力データのビット長が L,(2) 符号語のビット長 L+1,(3) 任意の確率分布に対して符号語の先頭Lビットは一様に分布する(このとき,符号化方式は確率分布を知っていることを仮定する),(4) 符号語は一意復号可能である. 昨年度までの構成では,再帰的に生起確率が最大となる情報源と生起確率が最小となる情報源をペアにして一方の最下位ビットに0,もう一方の最下位ビットに1を付与することによって符号化を行っていた.この方法は数学的な正当性証明を行うには適しているが,本研究課題の目標の一つである二項分布やベルヌーイ分布のような離散確率分布に従う情報源を符号化する際の計算効率が,任意の確率分布に従う場合の計算効率とほとんど変わらない点が課題であった.改良方式は,再帰的に符号を構成する点は変えずに,ペアにする情報源の取り方を変えることで,二項分布のような特殊な確立分布の符号化を効率的に行うことを目標とする.具体的には,提案方式は,生起確率が最大の情報源をUPEの条件が満たされる間は固定し,最大確率をもつ情報源を変化させないアルゴリズムとなっている.この改良により,アルゴリズムの構成は単純になるが,全ての確率分布に対して,改良方式がUPEを満たす符号化を実現できることの数学的証明,および,具体的な確率分布に改良方式を適用した際の計算効率の検討は今後の課題となる.

昨年度検討した通り,UPEは情報理論的に安全な認証符号との相性がよく,アプリケーションとして小型ロケットや小型人工衛星への適用を検討している.今年度は,基本となる小型ロケット向け通信における認証符号の構成について検討した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

任意の確率分布に対してUPEの性質を満足する符号の構成法については,早期に具体的なアルゴリズムとアルゴリズムの正当性証明を行うことができたため,現在は,実際のアプリケーションでの利用を見据えて,二項分布やベルヌーイ分布のような利用される場面の多い確率分布に対するUPEの構成を検討し,具体的な構成のアイデアまでは完了した.

改良方式については,数学的な正当性証明や,具体的な確率分布に対する計算効率の検討など,課題が残されているため,来年度以降に上記二つの問題の解決を目指して検討を行っていく予定である.

今後の研究の推進方策

UPEは情報源の確率分布に関する完全な事前知識が要求されるため,情報源のビット長が大きい場合には,計算効率が膨大なものとなる.その解決法の一つは,二項分布のようにパラメータ化された確率分布を対象とすることで計算効率を上げることだが,実用化に向けては,比較的短いビット長の情報源を対象に計算時間が現実的となるような範囲を見積もることも重要となる.今後は小型ロケットと地上局の通信において制御コマンドに認証符号を用いる際の計算効率などアプリケーションに特化したUPEの利用についても検討していきたいと考えている.

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Secure Communication via GNSS-based Key Synchronization2023

    • 著者名/発表者名
      Maki Yoshida, Sumio Morioka, Satoshi Obana
    • 学会等名
      Work-in-Progress in Hardware and Software for Location Computation (WIPHAL 2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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