研究課題/領域番号 |
21K11921
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
二保 知也 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (60295011)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 抵抗スポット溶接 / 接触変形・電流・熱伝導3連成現象 / 3次元3連成有限要素解析 / 接触電気抵抗 / 接触熱抵抗 / シームレス3次元3連成有限要素解析 / トリプルスケール / 接合強度 / 全体の強度 / シームレス3連成有限要素解析 |
研究開始時の研究の概要 |
抵抗スポット溶接は自動車製造などに多く利用されているため,鋼板/鋼板間接触面における溶融・凝固域の大きさに基づく接合強度評価のための解析方法の研究も盛んに行われている.しかし,接合強度は溶接施工終了後の変形形状,残留応力,運用時の荷重状態に依存するが,その一方で,対象物全体の強度に影響を与える. そこで,本研究では,溶接対象物全体をマクロスケール,抵抗スポット溶接部をメソスケール,鋼板/鋼板間接触面をミクロスケールとして,これらのスケール間連成効果とそれぞれのスケールにおける構造・電流・熱伝導3連成効果を考慮した3スケール3次元3連成有限要素解析方法を開発する.
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研究実績の概要 |
接触電気抵抗のミクロスケール接触変形・電流・熱3連成有限要素解析については,解析結果と実験則を含む理論解との差異について検討する必要があるが,本年度は研究全体の進捗状況を踏まえて予定通りに保留とした. 抵抗スポット溶接のメソスケール3次元接触変形・電流・熱伝導3連成有限要素解析については,昨年度に開発した3次元電流・熱伝導連成有限要素解析コードと昨年度に温度分布・変化を接触変形解析が考慮できるように拡張した汎用有限要素解析コード MSC. Marc を組み合わせた3次元接触変形・電流・熱伝導3連成有限要素解析コードを開発した.なお,本解析コードでは,接触電気抵抗および接触熱抵抗は実験則を含む理論解により考慮している. また,本解析コードの妥当性については,軸対称接触変形・電流・熱伝導3連成解析の解析結果および実験結果との比較により検証している.なお,3次元接触変形・電流・熱伝導3連成解析は多くの解析時間が必要となるため,解析精度を保ち,かつ,解析時間が短くなるよう時間刻み幅や要素サイズの最適化を行った.特に,本解析コードは解析途中で時間刻み幅を変更できるため,溶接の初期は時間刻み幅を小さくし,そこから段階的に時間刻み幅を大きくすることにより解析の効率化を図ることを可能としている. さらに,この3次元接触変形・電流・熱伝導3連成解析コードにより,抵抗スポット溶接の3次元的な接触変形・電流・熱伝導3連成現象の検討を行い,板幅が狭い,もしくは,鋼鈑端の溶接時には接触域および接触圧が3次元的になること,さらに,この接触域および接触圧力は電流経路,熱伝導経路,接触電気抵抗,接触熱抵抗に影響をあたえるため接合強度にも影響をあたえる可能性があることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
接触電気抵抗のミクロスケール3連成解析については,解析コードは開発し,理論解および単純形状かつ実験則を含まない理論解との比較により妥当性を検証したが,実験則を含む理論解との差異があり,その原因解明やその影響の検討,また,これらに基づいた解析コードの改良が遅れている. 抵抗スポット溶接のメソスケール3次元接触変形・電流.熱伝導3連成有限要素解析については,解析コードの開発はほぼ完了したが,妥当性の検討やさまざまな板組や溶接条件における3次元的な接触変形・電流・熱伝導3連成現象の検討が遅れている. 以上のように,ミクロスケール接触電気抵抗解析の妥当性検討,抵抗スポット溶接の3次元的接触変形・電流・熱伝導3連成解析の妥当性検討および3次元3連成現象の検討,さらに,2スケール化および3スケール化が遅れているため進捗状況を「(4) 遅れている」とした.
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今後の研究の推進方策 |
接触電気抵抗のミクロスケール3連成解析については,実験則を含む理論解との差異の原因解明やその影響の検討,および,これらに基づいた解析コードの改良を行う. また,このミクロスケール接触電気抵抗解析と本研究で開発した抵抗スポット溶接のメソスケール3次元接触変形・電流・熱伝導3連成解析を組み合わせた2スケール3次元接触変形・電流・熱伝導連成解析コードを開発する.なお,この2スケール3次元3連成解析コードの解析結果と接触電気抵抗および接触熱抵抗を実験則を含む理論解により考慮するメソスケールの3次元3連成解析結果と比較することにより2スケール3次元3連成解析の妥当性および有効性を検討する. さらに,この2スケール3次元3連成解析コードと溶接対象全体を対象としたマクロスケールの3次元3連成解析コードを組み合わせた3スケール3次元接触変形・電流・熱伝導3連成解析コードを開発し,抵抗スポット溶接における3スケール3次元接触変形・電流・熱伝導3連成解析の必要性・重要性および3次元接触変形・電流・熱伝導3連成効果および3スケール間連成効果が接合強度にあたえる影響を検する.
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