研究課題/領域番号 |
21K11925
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
相原 研輔 東京都市大学, 情報工学部, 准教授 (70735498)
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研究分担者 |
佐藤 寛之 京都大学, 情報学研究科, 特定准教授 (80734433)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 大規模行列方程式 / クリロフ部分空間法 / スムージング技術 / 丸め誤差解析 / 前処理技術 / リーマニアン最適化 / リーマン多様体 / アルミホルール / 直線探索 / 平滑化技術 / ニュートン法 / 数値計算手法 / 線形計算 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な科学技術計算では,大規模な行列方程式が頻出するため,それをコンピュータ上で高速かつ高精度に解くための数値計算アルゴリズムが必要不可欠である.本研究では,行列方程式向けの効果的な反復ソルバーを開発するとともに,近年注目されているリーマン多様体上の最適化で現れる問題への応用を目指す.そして,数値線形代数と数理最適化の融合研究の中で新たな知見を見出し,計算科学分野の更なる発展への道を切り拓く.
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研究実績の概要 |
2023年度は,複数の右辺ベクトルをもつ連立一次方程式に有効なブロック・クリロフ部分空間法の研究に取り組んだ.ブロック・クリロフ部分空間法は,2022年度までに主眼としていた大規模行列方程式向けのグローバル・クリロフ部分空間法のある種の拡張であり,これを対象としてアルゴリズム改良を行うことは,当該分野において意義深いものである.具体的には,2022年度までに得られた成果の派生として,ブロック型反復ソルバーの新しいフレームワークの考案や,収束振る舞いの平滑化と近似解精度の向上を同時に達成する数値安定なスムージング技術の開発,およびそれらの数理的諸性質の解析などを行い,理論・実験の両面において新しい知見を得ることができた.研究成果は,第49回数値解析シンポジウム,国際会議10th International Congress on Industrial and Applied Mathematics (ICIAM2023),第13回計算力学シンポジウム,日本応用数理学会2024年研究部会連合発表会などで口頭発表を行った.また,グローバル型反復ソルバーに関しては,収束性を大幅に向上させる前処理技術の適用を行った.特に,反復毎に可変性のある前処理手法が収束性に与える効能について数理的に考察し,日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会第36回研究会での口頭発表に至った.ブロック型・グローバル型,いずれの研究成果についても,当該分野の発展と関連分野への波及効果が見込まれるものである.なお,リーマン多様体上の無制約最適化問題に対する大域的最適化手法の研究に関しては,前年度までに得られた効率的な直線探索手法について,その学術的な位置づけなどを見直し,学術論文として出版するための準備を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大規模行列方程式に対するクリロフ部分空間法について,アルゴリズムの改良や解析に関する有益な成果が得られているが,一方で学術論文の掲載には至っておらず,成果の発信に関してはやや遅れている状況である.また,前年度に得られたリーマニアン最適化に関する研究成果についても,内容の精査が必要な箇所が見つかり,同様に学術論文の掲載には至っていない状況である.
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今後の研究の推進方策 |
大規模行列方程式向けのクリロフ部分空間法やリーマニアン最適化への応用に関して,研究目的をより精緻に達成するため,補助事業期間の延長を行った.これまでの研究結果を精査の上,学術論文として投稿し,確固たる成果として発信することを目指す.
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