研究課題/領域番号 |
21K11938
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 中央大学 (2022) 横浜市立大学 (2021) |
研究代表者 |
大草 孝介 中央大学, 理工学部, 准教授 (30636907)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 時系列解析 / 多次元時系列 / ストリームデータ解析 / スマートファクトリー / バイタル検知 / マイクロ波ドップラーセンサ / 空間設計 / 興味度推定 / パターン認識 / データサイエンス / センサネットワーク / 低周波時系列 |
研究開始時の研究の概要 |
近年スマートフォンを始めとする様々なデバイスによりリアルタイムかつ大量にデータが収集できるようになってきた.本研究ではそういったセンサデータのなかでも時間とともに変化する時系列データのパターン認識問題に着目し,特にそれが同時に複数観測される多次元時系列データのパターン認識問題に取り組む.多次元時系列データのパターン認識モデルはまだ確立されておらず,なかでもリアルタイムフィードバックを行うようなケースの場合は波形の全系列が観測できないなど様々な問題を抱えるため,本研究では理論的な側面だけでなく,実際にセンサネットワークを構築し,実践的にもこの問題を解決する方法について取り組んでいく.
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研究実績の概要 |
本年度は研究計画書に基づき,昨年度構築した基礎モデルをもとに,基礎実験として実際のセンサネットワークデータを想定した数値シミュレーション実験を行った.またいくつかの仮想的な環境想定した実際の実験も行い提案手法の精度確認を行った.
実験としては具体的には2つのケースを想定したものを行った.1つは工場での製造データを想定したシミュレーション・実測実験を行い,データとしては3つのマイクロ波ドップラーセンサを用いた6次元の多次元時系列データを想定した実験を行い,0.3Hz近辺の超低周波信号の認識タスクを実施した.実験の結果提案手法の有効性を確認することができた.もう一つの実験としては,遠隔での血圧測定を想定したバイタル検知に関するシミュレーション・実測実験を行い,こちらは2つのマイクロ波ドップラーセンサでの4次元の時系列データを対象として,1Hz近辺で発生する心拍変動の推定に関する認識タスクを実施した.実験の結果,提案手法のシミュレーションでの精度を確認するとともに,実測でも多次元時系列データに物理モデルを導入することにより,従来手法に比べて精度高く認識が可能であることを確認できた.
本年度行った実験ではセンサ数が限られた状態で実験を行っており,より多くのセンサ数を想定したアルゴリズムの改善を検討し,翌年度以降計算コストがボトルネックとならないようシミュレーション実験とモデル改善を逐次的に行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度はシミュレーション実験のみを行う予定であったが,すでに構築してあるセンサネットワークシステムを利用することにより,翌年度以降を想定していた実環境による実データでの提案モデルの検証も行うことができた.これにより研究実績の概要の項でも示した通り,2つのケースで提案手法の有効性を実データでも早期に確認することができたため,実データでの検証という意味では,当初の計画以上に進展しているといえる.一方で後述の「今後の研究の推進方策」でも記述するように,サプライチェーンの問題による利用予定のセンサ納期遅延問題が存在しているため,想定していた高次元のセンタネットワークデータによる提案手法の有効性についての検証の課題は依然存在していることにあh留意したい.
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」の項でも示した通り,サプライチェーンの混乱によるセンサデバイスの納期遅延問題が依然存在しており,当初予定していた実験については,実験の見通しが不透明な状態にある.この問題に対応するため,代替のセンサデバイスの利用なども視野に,提案手法の有効性確認が,より高次元のセンタネットワークデータ実施可能かどうか,検討を進めていく.
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