研究課題/領域番号 |
21K11948
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
荒井 伸太郎 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (10599195)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 可視光通信 / LED / イメージセンサ / 回転 / 残像 / 水中可視光通信 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の領海にある海洋資源の探索に,可視光通信技術を搭載した小型無人水中機(ROV)の利用が注目されている.しかし,海上に降り注ぐ太陽光の影響で通信が阻害され,データ収集が円滑に行えない問題がある. 本研究では,ROVのスラスターに着目した残像式可視光送信機を開発する.スラスターに複数のLEDを取り付け,それらを点滅させながら高速回転させる.受信機に用いるカメラには,LEDの高速点滅が残像として写るため,一枚の画像で捉えられるLED数を見かけ上増やすことで,通信速度が向上する.カメラは送信機とそれ以外を画像上で分離できることから,水中での高速光無線通信が太陽光の影響下でも実現できると期待する.
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研究実績の概要 |
日本の領海にある海洋資源の探索に,可視光通信技術を搭載した小型無人水中機(ROV)の利用が注目されている.しかし,海上に降り注ぐ太陽光の影響で通信が阻害され,データ収集が円滑に行えない問題がある.本研究では,ROVのスラスターに着目した残像式可視光送信機を開発する.スラスターに複数のLEDを取り付け,それらを点滅させながら高速回転させる.受信機に用いるカメラには,LEDの高速点滅が残像として写るため,一枚の画像で捉えられるLED数を見かけ上増やすことで,通信速度が向上する.カメラは送信機とそれ以外を画像上で分離できることから,水中での高速光無線通信が太陽光の影響下でも実現できると期待する. 令和5年度は、スラスター型残像式LED送信機とカメラを用いた可視光通信における送受信機間の同期に注目した。本装置とカメラを用いた可視光通信では、送信機のシンボルスタートタイミングとカメラのシャッタータイミングにずれがあるとシンボル間干渉が発生してしまい、復調データの誤りを引き起こす。これを解決するため、スラスター型残像式LED送信機とカメラを用いた可視光通信のためのシンボル同期手法を提案した。具体的には、既知のLED点灯パターンをヘッダとして送信し、受信機側で画像処理技術を用いてLED光の残像の座標を検出する。そして、検出した座標を用いて同期ずれを推定し、その同期ずれの補正とデータの復調を行う。性能評価のために行った実験の結果、LED点滅角度が5度間隔の時、通信距離3.0 mまでの範囲で提案手法が残像の座標と同期ずれの両方を正確に検出することを確認した。 本研究課題の成果の一部として、令和5年度は学術論文として1本(IEEE Photonics Journal)発表した。さらに、国際会議で3件、国内研究会で4件の研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述した「研究実績の概要」で説明した通り、開発した送信機とカメラを用いた可視光通信実験を行い、性能も評価している。しかしながら、学術論文誌に投稿するための実験を実施中、開発した送信機が故障してしまい、現在その修理を行っている。そのため、補助事業期間再延長承認申請を行い、2024年度中も本研究課題を遂行する所存である。装置を修理後、直ちに実験を再開する。
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今後の研究の推進方策 |
上述の「現在までの進捗状況」での説明通り、開発した送信機が故障し、その修理のため実験を一時中断している。令和6年度は、まず装置の修理を行うことに加え、出来るだけ故障しないように改良を施す。修理後、直ちに実験を再開し、LEDの設置位置と復調性能の関係を利用した通信速度向上と高い通信性能(低ビット誤り率)の両立を目指す。
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