研究課題/領域番号 |
21K11952
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
|
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
篠田 一馬 宇都宮大学, 工学部, 准教授 (50639200)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 画像処理 / 分光イメージング / 偏光イメージング / フィルタアレイ / 圧縮センシング / フォトニック結晶 / 分光画像 / 偏光画像 |
研究開始時の研究の概要 |
RGBを超えた分光および偏光画像の撮影はスマート農業や自動運転への貢献が期待されており,撮影系の小型化と製造容易性の確保が課題となっている.本研究では,世界的に前例のないランダム構造を持つフォトニック結晶フィルタを開発し,モノクロカメラに位置合わせをせずに取り付けるだけ(アライメントフリー)で,分光・偏光・RGB画像を単一露光で撮影できるイメージング法を創出する.
|
研究実績の概要 |
本研究では,ランダム構造を持つフォトニック結晶フィルタを開発し,モノクロイメージャに位置合わせをせずに搭載するだけで,単一カメラかつ単一露光撮影で分光・偏光・RGB画像を撮影できるイメージング方法を目指している.本年度は,フィルタパターンの最適化を中心に行った.グラフ信号処理の活用によりパターンの複雑度を評価可能であることが確認され,さらに,教師画像を必要としないパターン設計手法を開発した.この手法は画像の自己相関性を近似行列で表現することで平均二乗誤差の最小値を推定するものであり,フィルタアレイパターンと撮影画像データさえあれば特定のフィルタの精度を評価できるため,遺伝的アルゴリズムによる発見的アプローチによってフィルタアレイパターンの最適化が行えるものである.実験の結果,経験的なパターンと比較して最適化されたフィルタアレイパターンは復元画像の精度を向上できることが確認された.実機製造に関しては,自己クローニング法を使用せずに不完全な波状多層膜であってもイメージングが可能であることが確認され,製造工程の簡略化と低コスト化の可能性が確認された.当初の予定通り,次年度以降にセンサへの実装と透過特性評価を行い,分光偏光同時撮影の実機検証を進める予定である.また,深層学習によるデモザイク方法も検証し,画質の改善が確認された.次年度以降に,パターン設計およびデモザイク手法のそれぞれについて論文投稿を行う予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分光偏光フィルタアレイのためのパターン設計およびデモザイクの開発について,当初の予定通り実施されているため.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は引き続きフィルタアレイの製造評価を進め,実機における透過特性を明確化する.特に初年度に研究協力者による機器提供が効果的に行われたため,予定されていた物品購入費用の一部をデバイス試作に補填することが可能となり,実機における感度検証を効率的に遂行できた.次年度ではフィルタ実装装置の開発とデモンストレーション,および成果発表に注力する予定である.
|