研究課題/領域番号 |
21K11958
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
今村 幸祐 金沢大学, 電子情報通信学系, 准教授 (00324096)
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研究分担者 |
小林 聡 金沢大学, 保健学系, 教授 (30313638)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 肝線維化ステージ判定 / 診断補助 / 医用画像処理 / 深層学習 / 画像処理 / 画像診断 |
研究開始時の研究の概要 |
深層学習による画像処理技術の発達は、現代の医療分野における画像診断において高精度化・高速化の向上に大きく寄与している。本研究は、CT/MRIを用いた画像診断の精度・即時性の向上のためのディープラーニングを用いた画像処理技術を開発する。具体的にはCT/MRIによる画像情報から肝臓の線維化のステージをニューラルネットワークによって判定するシステムの構築である。また、ニューラルネットワーク医師に診断時に注目すべき領域を明示する診断補助手法についての検討も行う。発展的には、肝臓の線維化だけでなく、肝がん等の複数の疾患を検出するための医用画像処理技術の確立も検討する。
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研究実績の概要 |
2022年度の検討事項は前年度に構築したMRIに基づく肝線維化ステージ判定システムの改善と診断補助に向けた画像表示に関する検討を行った。 従来の検討では,単一の畳み込みニューラルネットワークに基づいた肝線維化ステージ判定システムを構築して評価を行ってきた。2022年度の検討では,知識蒸留を利用することを考慮し,畳み込みニューラルネットワークを並列に配置したネットワーク構造を導入した。これにより,相互学習が可能となり,さらに診断部の切り抜き画像と合わせて分類処理を行うことで,より正確な分類が可能となった。その結果,パッチ単位の診断ではなく,被診断者に対する肝線維化ステージ判定の精度向上を実現した。また,これまで単一画像として入力したものを複数画像に分割して入力するMLP等の新たなネットワーク構造を用いることによる分類精度の改善とMRIからの診断すべき肝臓位置の推定と合わせて総合的な自動化について開発を進めている。 また,診断補助に向けた画像表示として,RISEによる判断根拠可視化で肝線維化ステージ判定の際の注目すべき領域を表示する検討を行った。RISEはブラックボックスアプローチよる可視化手法あり,多数のランダムマスクパターンを適用するような手法であるため,実際の診断補助に用いるためには処理時間の短縮が課題となる。検討により,RISEによる注目領域算出の際に用いるマスクパターンを,通過頻度を領域ごとに一定にしたマスクと特定の単一領域に限定したマスクの併用とした手法により,適用マスク数を削減し,高速化および精度向上を実現した。この結果については国際学会での発表も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の検討事項であるMRIに基づく肝線維化ステージ判定システムの構築についての主題はシステムの構築と精度向上である。従来は単純な単一畳み込みニューラルネットワークによる判定を行っていたが,知識蒸留を利用し,畳み込みニューラルネットワーク並列にしたネットワーク構造とすることで,より高い精度の判別が可能なシステムの構築と評価を行った。このようにシステム構築と精度の向上の点で進展しており,順調に進展していると判断する。 また,診断補助に向けた画像表示についても,RISEの処理速度の向上が可能となったことで,診断の際の注目領域が迅速に行えるようになった。システムに合わせた評価も進めており,こちらも順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,引き続きMRIに基づく肝線維化ステージ判定システムの精度向上について検討する。現在,肝臓の診断対象領域の特定は手動で行っているが,それも含めて深層学習にり診断領域の識別を行うことで,入力から診断まで自動で処理が可能となるように検討を進める。また,他の医療画像への適用も可能であるか検討を進める。 一方,精度の向上ためにはノイズ低減を含めた入力画像の前処理必要な処理であると考えらえる。これを診断補助のための処理と併せて,システムに組み込むための検討も同時に進める。 これらの成果を学会等で発表することも併せて行っていく。
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