研究課題/領域番号 |
21K11968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
山添 大丈 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (70418523)
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研究分担者 |
桑原 教彰 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 教授 (60395168)
米澤 朋子 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90395161)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 内部状態推定 / 深層学習 / 非言語行動 / VR / 視線推定 / データ生成 / 内部状態 / 視認 / ロボット / 脳波 / 感情 / 触覚 / 無意識的行動 / 意識的行動 / 注意 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,人の行動が意識的行動と無意識的行動からなることに着目し,それらの違いを利用した,人の内部状態推定のモデル化を目指す.これまで多くの内部状態推定が提案されているが,十分な精度ではなかった.その問題として,意識的・無意識的行動を分けて扱っていないことが原因の一つと考えた.本研究では,意識的行動は自身が認識する「顕在的」内部状態の表出,無意識的行動は自身が気づいていない「潜在的」内部状態の表出と考え,それらを分離して扱うことで,より正確な内部状態推定を目指す.さらに意識的・無意識的行動の違いを観測しやすくするための人への働きかけ手法も検討する.
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研究実績の概要 |
概要2023年度は,対面でのプレゼンシーンを対象として,まず聞き手の状態を集中1種類,非集中4種類の計5種類の条件を設定した実験デザインによるデータ取得実験を行った.次に,実験中に取得した聞き手の映像から5秒間の映像を切り出し,それぞれについて主観的な集中・非集中のラベル(主観集中度)を付与してもらう実験を行った.このようにラベル付けしたデータを用いて,深層学習による主観集中度の推定モデルを構築し,映像列から主観集中度が推定できることを確認した.今後,実験条件と主観集中度の一致度を考慮しながら,集中・非集中状態における振る舞いの変化について分析を進めていく. また,これまでに検討を進めてきた視認(周辺環境中の物体を視覚的に認識したかどうか)の推定については,注視対象の移動方向も考慮した実験を行っており,その分析を進めている.また,移動方向を考慮しない場合の実験結果については,視認に基づく視覚探索タスクの支援手法も含めた形での論文誌への掲載が決定した. その他に,音楽のもたらす人の内部状態推定や,ロボットや仮想エージェントのふるまいを通じてもたらされる人の生理・心理内部状態に基づくフィードバックシステムの開発と検証に力を入れた.SNS上の主に無意識のふるまいからの状態推定などにも着手している. また,中高生の学習者をターゲットとして,英語の課題に回答する際に英語の習熟度と学習者の視線移動の関係性についても研究を進めた.英語の習熟度が上がるほど学習者の視線移動が課題を解くのに重要なキーワードに収斂していく傾向を明らかにした.さらにマスク着用時に顔の動きを検出し表情を推定するスマートマスクの研究も行い,高齢者がChatGPTに代表される生成AIとの対話と,人と対話する場合でのうなずきなどのノンバーバルな振る舞いがどのように変容するのかについても研究を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
集中度,視認,習熟度などの内部状態推定の検討が進んでおり,おおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた実験データをさらに詳しく分析するとともに,実験参加者数を増やすことで,推定モデルの精緻化を進めていく.
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