研究課題/領域番号 |
21K11973
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡邉 拓貴 北海道大学, 情報科学研究院, 助教 (50808433)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ウェアラブルコンピューティング / エコーロケーション / ヒアラブル / 物体認識 / 支援技術 / 超音波 / 可聴化 |
研究開始時の研究の概要 |
エコーロケーションとは音の反射により周囲の状況を把握する技術である.一部の視覚障害者は可聴音でこの技術を利用しているが,エコーロケーションには超音波(人には聞こえない高周波音)を用いたほうが,より詳細な情報が取得できることが示されている.そこで本研究では,超音波を発信し反射音を可聴化してユーザに提示するシステムを構築する.同時に,取得した反射音を解析してシステムでも機械学習により認識を行い,ユーザに提示する.提案手法により,視覚障害者は機械の支援を受けながら,自分の耳で超音波エコーロケーションが可能になり,可聴音のエコーロケーションよりも詳細な情報を得ながら周囲を認識できる.
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研究実績の概要 |
本研究では,可聴化された超音波反射音を用いた人による認識と,機械学習による認識を組み合わせた,人と機械の協調型エコーロケーション技術の確立を目的とする.エコーロケーションとは音の反射により周囲の状況を把握する技術である.一部の視覚障害者はこの技術を利用し,舌打ち音等の可聴音で周囲を認識しているが,エコーロケーションには超音波を用いたほうが,より詳細な情報が取得できることが示されている.そこで本研究では,超音波を発信し反射音をリアルタイムに可聴化してユーザに提示するシステムを構築する.同時に,取得した反射音を用いてシステムでも機械学習により認識を行い,ユーザに提示する.提案手法により,視覚障害者は従来不可能であったリアルタイムの超音波エコーロケーションが可能になり,可聴音のエコーロケーションよりも詳細な情報を得ながら周囲を認識できる.また機械学習も併用することで,人には認識が難しい物体や見落としがちな手がかりの検出も可能になると考えられる.人による認識と機械による認識を組み合わせることで,それぞれの特性を活かしながら,より詳細なエコーロケーションの実現を目指す. 2023年度は,提案手法利用時に影響を与えうるイヤホン型デバイス装着時の音の方向を知覚する能力(音像定位能力)の低下について調査した.調査の結果,イヤホン型デバイスを装着することで外部音取り込み機能利用時にも音像定位能力が劣化することが確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,昨年度までに人と機械の認識を組み合わせた評価実験を実行することができ,本年度はイヤホン装着時の音像定位能力劣化の影響調査と改善を行うことができたため.
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今後の研究の推進方策 |
現在までの研究で,超音波エコーロケーションに機械学習手法を導入することについて評価した.結果として,この導入に意義があることが確認できた. また,提案手法ではイヤホンを常時装着する必要があるが,イヤホンを装着することにより音像定位能力が低下し,提案手法利用時の新たな課題になりうることを確認し,その改善手法を実装した. 今後の推進方策として,提案手法では可聴化された超音波がユーザに常に提示されることになるが,イヤホンからの常時音声提示はユーザ本来の聴覚特性に悪影響を与える可能性や,効果的でない情報提示になっている可能性があるため,音情報の提示手法について調査を行う.
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