研究課題/領域番号 |
21K11974
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤田 和之 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (70835545)
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研究分担者 |
高嶋 和毅 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (60533461)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 姿勢誘導 / ロボティックファニチャ / ウェルビーイング |
研究開始時の研究の概要 |
デスクワークにおいて座位・立位姿勢を適宜切り替えることは,様々な病気リスクの低減や作業パフォーマンスの向上に繋がる.このため本研究では,作業者を取り巻く作業環境を物理的に低速で変化させることで,遂行中の作業を阻害せずに姿勢誘導を促す手法を確立させる.具体的には,作業者が着座している椅子座面高さ・傾きとそれに連動する机上面高さを微小に変化させる手法を実装し,これらが作業者のパフォーマンス,姿勢に与える影響や主観的な許容性を実験から明らかにする.この結果から,本手法の動作をモデル化する.また,このモデルを実利用場面に適用したアプリケーションを実装し,中長期的な使用を通して有効性を評価する.
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研究実績の概要 |
本年度では,不良姿勢を矯正する姿勢誘導のアプローチとして,空間音響を用いた聴覚フィードバックに着目し,これについて検討を進めた.空間音響を用いたのは,人に元来備わっている音像定位能力により,無意識的にユーザ自身の姿勢の変化を知覚でき,無意識的な姿勢矯正・誘導を実現できる可能性があると考えたためである.このための初期検討として,空間に固定されたバーチャル音源による聴覚フィードバックがユーザの座位姿勢やデスクワークタスクの遂行に与える影響を調査した.聴覚フィードバックには,作業中に聴くことのできる音楽を用い,ユーザの頭部初期位置からの変位量に応じて音楽の音量が空間的に変化する条件(Spatial Sound; SS条件),および,これに加えて頭部変位量に応じてホワイトノイズの音量が変化する条件(Spatial Sound with Noise; SSN条件)を設計・実装した.これらの条件に,空間音響を用いないベースライン条件を加えた3つの条件のもと,6名の参加者にデスクワークタスクを実施してもらうユーザスタディを行った.この結果,タスク中の頭部の変位量がベースライン条件に比べてSS条件では37.9%,SSN条件では60.2%減少したことがわかり,空間音響を用いた姿勢矯正の可能性を確認できた.加えて,SS条件はSSN条件に比べて主観的に許容されやすいことがわかった.以上の結果から,まだ予備調査の段階ではあるものの,提案した2手法は姿勢の矯正に寄与し,その中でもSS条件はタスクへの干渉が少ない姿勢矯正手法となり得ることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた,座面やモニタの物理的な位置・姿勢の制御による姿勢誘導に加えて,本年度は別の方向性として,空間音響を用いた聴覚フィードバックに着目した姿勢誘導手法を検討した.この検討において,一定の成果を得ることができた.
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今後の研究の推進方策 |
本年度に引き続き,作業環境への視聴覚フィードバックを用いた姿勢誘導に取り組む.特に,システムがユーザへ与える影響を詳細に調査するため,生体情報も含めたより詳細なデータ取得を伴うスタディを実施予定である.
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