研究課題/領域番号 |
21K11976
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩永 光一 千葉大学, デザイン・リサーチ・インスティテュート, 教授 (70160124)
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研究分担者 |
石橋 圭太 千葉大学, デザイン・リサーチ・インスティテュート, 准教授 (40325569)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 疑似触力覚 / 筋活動 / 脳活動 / 眼球運動 / 事象関連電位 / 個人差 / 擬似触力覚 / 肘関節屈曲動作 / 入力操作特性 / 視覚特性 |
研究開始時の研究の概要 |
擬似触力覚とは、例えば、コンピュータマウスを操作してカーソルを動かす時に、不意にカーソルの動きが遅くなるとマウスを操作する手や腕の動作に大きな抵抗を感じるなど、視覚情報の変化によって誘発される触力覚の錯覚を示す。本研究は、視覚情報の変化による擬似触力覚の発生を確認し、擬似触力覚を感じる手や腕の動作や視覚情報を得るための眼球の運動が、擬似触力覚の発生とその大きさにどのように関係しているのかを調べ、擬似触力覚が発生するメカニズムを考察するものである。
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研究成果の概要 |
疑似触力覚の発生を定量的に評価し、その機序を検討することを目的とした。コンピュータ画面上のカーソルを肘関節屈曲動作で操作する実験系を構築し、主観的等価点として疑似触力覚の大きさを安定して評価することができた。疑似触力覚は眼球運動を抑制した条件でも発生するが、眼球運動を伴う場合に比べて小さくなった。また、疑似触力覚の個人差は、動作時の力覚の知覚感度と関係していることが明らかになった。さらに、脳波を用いて疑似触力覚の発生と脳活動の関連を検討したが、一定の知見を得るには至らず検討を継続している。本研究によって、疑似触力覚の発生機序に関する今後の研究につながる重要な成果を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は体性感覚の錯覚である疑似触力覚について、生理学、心理学などの研究手法を統合することによって定量的評価とその発生メカニズムの解明にアプローチするものである。錯覚は日常生活においても経験される人間の感覚特性であるが、主観的であり定量的に評価することが困難であることから定性的な研究に留まっていた。本研究は人間科学における新たな可能性を示すものとして、その学術的意義は多大である。また、疑似触力覚は、近年の発展と実用化が目覚ましい仮想現実や拡張現実などの人工環境への応用が期待され、より人間特性を考慮したヒトと人工環境とのインタフェースの可能性を拡大するものとして、社会的意義も極めて大きい。
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