研究課題/領域番号 |
21K11983
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
|
研究機関 | 八戸工業大学 |
研究代表者 |
小坂谷 壽一 八戸工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (40405725)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 自動採譜 / 音素 / 共鳴・共振 / 譜面化 |
研究開始時の研究の概要 |
津軽民謡の中で最も難曲と言われる曲に「津軽じょんがら節(旧節)」が在る。明治時代以降、気候風土の厳しい津軽地方では経済的な貧しさも重なり、三味線奏者は曲弾きの妙を大きな音で異次元に響かせないと門付け料が貰えず、当時は死活問題となっていた。その演奏技術は昔から口伝のみで伝えられ、難曲「津軽じょんがら節」は津軽三味線テクニックの集大成と言われてきた。本研究では、その楽曲の構成音素を解析し、自動採譜化を実現する。
|
研究実績の概要 |
研究目的:津軽地方の民謡に「津軽じょんがら節」が在る。その奏法は古来より口伝でのみ伝えられ、最も難曲の1つと言われてきた。明治以降、気候風土の厳しい津軽地方では経済的な貧しさも重なり、三味線奏者は曲引きの妙を大音量で個性的に響かせないと門付け料が貰えず死活問題となっていた。必然的に競争意識が芽生え、誰も真似できない異次元の演奏が主流となり、その演奏技術は昔から口伝のみで伝えられてきた。地元民謡有識者によれば、「津軽じょんがら節(旧節)」は、三味線テクニックが凝縮され、この演奏が出来ると津軽民謡の大半が演奏可能とされている。本研究の目的は、最も難曲と言われる「津軽じょんがら節」の楽曲の構成音素解明し、その完全自動採譜化を図ることにより、楽譜の無い民謡をはじめ、邦楽音楽全般の譜面化に挑む。 研究実績の概要:「自動採譜」の原理は、次の様に確立した。①楽曲音源の入力――>②音源周波数解析――>③音階(音長・音高)の判読――>④譜面化の処理をする。以下、2021年度は①~②の入力音源装置であるエレクトリック三味線を中心に制作した。生の津軽三味線は、表裏とも犬の皮が張られ、音を出来るだけ大きく共鳴させる太棹構造(独奏楽器仕様)になっている。今回、弦の共振・共鳴を避けるべく“弦単位に高性能ピックアップマイクロフォンを装着”した。更に、弦毎のマイク装着部にはスリット(溝)を入れ共振を防止し、また胴表裏の皮を取り去り全体構造を共鳴防止型スケルトン仕様とした。これにより、三味線音の単独音階音(つぼに相当する音高周波数)をピンポイントで抽出可能とした。最終年度には「津軽じょんがら節(旧節)」特有の音素構成を明らかにし、高精度の自動採譜手法を実現する事が出来た。その成果として北東北3県(青森県、岩手県、秋田県)の県教育委員会に、本手法で採譜した民謡楽譜100曲をそれぞれ寄贈済みである。
|