研究課題/領域番号 |
21K11997
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高田 英明 長崎大学, 情報データ科学部, 教授 (10880859)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 裸眼3D / 輝度分配 / 奥行知覚 / 再帰性反射 / 微小拡散 / 輝度重畳 / 光学ブレンディング / 立体知覚 |
研究開始時の研究の概要 |
眼の前の手元に実物が存在するかのように表示できるテーブルトップ型の3D表示は、フィールド全体を見渡すスポーツ観戦や、製品をモデリングする協調作業など、幅広い用途が期待される。本研究では、3Dメガネなどを装着せず全周囲から自然に観察できるテーブルトップ型裸眼3D表示を、画質や構造に有利な再帰性反射と微小拡散による光学構成と、視覚の知覚メカニズムを積極的に活用することで、シンプルかつ高画質に実現することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
コンパクトな裸眼3D表示モジュールが集まり連携することで、テーブル上の協調作業を簡単に実現するインタフェースの構築 を目指し、再帰性反射と微小拡散を用いた高画質かつシンプルな映像提示の検討、および、 隣接映像間の微小拡散特性/角度依存性による輝度重畳特性を用いる際の、リニアブレンディングの生じる必要条件の検討を進めている。 リニアブレンディングによる隣接映像の部分的な輝度重畳は、知覚的な擬似両眼視差を生じさせ、眼間距離より広い映像間隔でも、自然な運動視差を維持したまま3D映像を知覚させる。本手法の適用には、出射光の輝度分布が直線的かつ隣接映像の合計輝度が一定になるのが理想である。一般的な拡散フィルムはガウス分布を示すものが多く、それらの特性の評価を進めた。 特に、プロジェクタをできるだけ低く設置することが、本手法の実現には不可欠であり、プロジェクタの高さを変化させた場合の輝度特性の把握、および奥行き知覚への影響を評価し、プロトタイプに向けたパラメータを示した。 また、本研究で得られた最適な構造パラメータを基に裸眼3D表示のプロトタイプの構築を始めている。5台程度の小型プロジェクタによる視域約30度の小型投影モジュールと、再帰反射と拡散を合わせた対角20インチ程度のフレキシブルな簡易スクリーンを目標に構築を進めている。特に従来技術では困難であった大角度投射(低いプロジェクタ位置からの投射)による圧倒的な小型軽量化および画質と輝度の大幅な向上を狙い、現在、パーソナル裸眼3Dモジュールの実現性を実機にて示していく途上である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学会発表や論文化など、対外的な議論や公表が当初より若干遅れ気味である。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究で構築したプロトタイプを複数用いて、複数人による協調作業を実現する手法を検討する。具体的には、複数のモジュールによる相互の位置関係の把握と表示映像の同期が必要となる。また、モジュール同士の通信手段の確保も重要である。複数のモジュールを複数の端末とみなし、これらを統合して制御する統合的協調作業システムを新たに提案し、多くの分野における本技術の活用を促進させる。
|