研究課題/領域番号 |
21K12029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村脇 有吾 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (70616606)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 文化進化 / 分岐 / 水平伝播 / ベイズ統計 / 言語 / 系統樹 / 基礎語彙 / 言語接触 |
研究開始時の研究の概要 |
人間諸集団が担う広義の文化、特に言語が歴史的にどのように変化してきたか(文化進化) を解明するための統計的モデルを開発する。文化進化のモデルには、(1) 分岐の繰り返しをともなう縦の継承と (2) 波状の横の伝播の大きく2 つが知られているが、両者を統合的に扱う統計的モデルの開発が研究目標である。言語学者による先行研究は人手による論証に頼っており、データを特徴づける不確実性の高さに手を焼いていた。研究代表者は、この問題はベイズ統計に基づく計算集約的な統計的モデルによって克服できると見込んでいる。
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研究成果の概要 |
人間諸集団が担う広義の文化、特に言語が歴史的にどのように変化してきたか(文化進化)を解明するための統計的モデルの開発に取り組んだ。文化進化のモデルには、(1) 分岐の繰り返しをともなう縦の継承と (2) 波状の横の伝播の大きく2つが知られているが、両者を統合的に扱う統計的モデルの開発が主要な研究目標として取り組んだ。統計的モデルは一応の完成を見たものの、実データから言語学的に意味のある結果を引き出すという点では課題が残った。一方、この開発の途上で、縦の継承のみを仮定する系統樹モデルにその仮定を満たさないデータを与えた場合に起きる問題を可視化する手法の解析を進め、大きな成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間諸集団の歴史を解明するうえで、 それらの集団が話す言語は重要な手がかりとなる。本研究は言語進化に関する2つの従来モデルの統合に取り組むとともに、このモデルを適用するうえでの最大の問題は不確実性であると考え、統計的に取り組むことに焦点をおいた。この問題に伝統的に取り組んできた歴史言語学は言語同士のマクロな関係の解明については大きな成果を上げてきた一方で、例えば日本語内部の多様性(特に本土方言内部の関係)のようなミクロな言語関係については課題が残っていた。本研究の成果はこうした残された課題の解決につながる可能性がある。
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