研究課題/領域番号 |
21K12036
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
|
研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
松田 源立 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (40433700)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 機械学習 / 独立成分分析 / 信号処理 / 特徴抽出 / 深層学習 / 自然言語処理 / 知能情報学 / 確率理論 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、脳のニューロンのネットワーク構造を参考とした人口知能技術が大きな注目を集めている。既存の技術では、ネットワーク構造は人手で設定し、ニューロン間の結合の強さを調整することで、特定の問題に対し適切な学習を行う手法が主流である。しかし、本来の脳はネットワーク構造そのものを変化させて学習を行っており、多様な問題に柔軟に適応することができる。本研究では、数理統計学や確率理論に基づく汎用な原理を利用して、ネットワークの構造そのものを徐々に学習する人工知能技術の開発と応用を目指す。
|
研究実績の概要 |
本年度は根幹となる独立成分分析に関する研究を引き続き発展させた。前年度に、並列化を用いた独立成分分析の効率的な実装により実EEGデータの分析を行ったが、一般的な計算機環境における適用可能性が低いという課題が残っていた。この課題に対し、今年度は、行列演算を利用することにより一般的な環境下でも高速化が可能であることを示し、その有効性を検証した。 また、機械学習、言語処理、画像処理での応用分野において、以下のような共同研究を実施した。第一に、日常的な議論の構造を数値的に分析するフレームワークとして、DECRAGを提案した。DECRAGは、議論グラフとして表現された議論の各要素の成立の程度を0~1の実数値として求めることが可能であり、その値が各要素の重要性の検討に有用であることを示した。第二に、日本の年代別学習指導要領をテキストデータとして収集し、各年代における単語ごとの頻度を用いて定量的に分析し、指導要領の学習方針の年代ごとの変遷を調査した。そして、その定量的な分析結果が、既存の定性的な議論と整合することを示した。第三に、言語処理におけるアンラーニングに関する研究を実施した。アンラーニングとは学習済みのモデルから特定のデータの影響を除去する技術である。本研究では、タスクベクトルによるモデル編集手法を改良し、アンラーニングにおけるタスクベクトルの重みを自動調節する手法を提案した。第四に、動画共有サービスにおけるコメントを収集し、動画の再生回数がコメントに含まれる名詞から推定可能であることを示した。さらに動画をジャンル別に分類し、ジャンルによってコメントにおける重要名詞に大きな差異があることを示した。第五に、画像生成モデルに関して、カテゴリ分類項を利用した敵対的生成モデルの改良を行った。カテゴリ分類を階層的に行うことで従来手法に比べて学習成功率が向上することを示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
引き続き本研究の根幹となる独立成分分析に関する研究を進めていたが、計算の効率性や一意性に課題があることが分かり、手法の改良を行ってきた。そのため、当初の目標である特徴抽出および多層構造への応用がやや遅れている。また、コロナ禍の影響もあり国際学会での研究成果発表が滞っている。一方、機械学習全般における特徴抽出や構造抽出の応用に関しては、様々な共同研究を進めることができている。
|
今後の研究の推進方策 |
独立成分分析の手法自体の研究はある程度まとまってきたので、今後は、当初の目標である独立成分分析による特徴抽出および多層構造への応用を重点的に進めていく予定である。国際学会での研究成果発表も積極的に行う予定である。また、機械学習全般における応用研究については、引き続き積極的に共同研究を進めていく予定である。
|