研究課題/領域番号 |
21K12039
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
|
研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
岩田 員典 愛知大学, 経営学部, 教授 (80367606)
|
研究分担者 |
伊藤 暢浩 愛知工業大学, 情報科学部, 教授 (40314075)
内種 岳詞 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (70710143)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 災害救助シミュレーション / 分散制約最適化問題 / RoboCupRescue Simulation / マルチエージェントシステム / 動的確率的環境 |
研究開始時の研究の概要 |
大規模な自然災害での救助活動において,被害を軽減するために変化し続ける災害現場に対する,救助隊などの割り当て方法の効率化を実現を目差す.しかし,このような災害の変化に対応した割り当ての効率化は困難なため,災害救助マルチエージェントシミュレーションを用い,この分野で重要である分散制約最適化問題を基礎とすることで本課題に取り組む. 分散制約最適化問題ではエージェント間通信のみで適切なタスク割り当てを可能とするため,災害現場などの通信に制約がある環境に適している.
|
研究実績の概要 |
分散制約最適化問題を RoboCupRescue Simulation に適用する際に問題となる通信回数の制限を緩和するライブラリの更新を行った。また、そのライブラリのログデータをより詳細に取得できるようにもしている。 分散制約最適化問題の適用においては Layerd DCOP を対象とした。ただし、Layerd DCOP そのままでは RoboCupResuce においては「市民を掘り起こす」→「掘り起こされた市民を搬送する」といった順序関係や、市民が死亡するまでに救助を完了しなければならないという時間的な制約をうまく表現できないという問題があった。 そこで、順序制約と時間制約を考慮した L-DCOP エージェントを提案した。このアルゴリズムでは順序制約を階層として表現し、階層ごとにタスク割り当てをすることで優先順位や時間的な制約を解決することを目指している。 この提案アルゴリズムを実装し、問題なく動作することが確認できた。しかし、時間制約を設けたことで、移動に費やす時間が長い環境においてはタスク完了率が低いという新たな問題が明らかになった。その原因はエージェントが移動にかかると見積もる時間と実際にかかる時間の差にあると考えられた。そのため、移動時間の推定を改良を目差した。この改良によりタスク完了率は69%から75%へと6ポイント上昇した。ただし、移動時間の見積は環境(地図とその災害状況)に影響を受けるため、過去に研究した地図の分析手法などと併せて更に改良をしていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルゴリズム提案、問題点の洗い出し、改良など大旨順調に進んでいる。 ただし、RoboCup の世界大会にはオンラインでしか参加できなかったため、これらの成果や改善点について他の研究者との議論があまり進められなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
L-DCOP が有効なことは判明しているが、移動時間の見積が正しくないと時間制約をうまく活用することが出来ない。そこで、過去に行った災害状況と環境と地図の分析に関する研究成果などを基に、移動時間の見積をより正しく行えることを目差す。 また、RoboCupRescue Simulation では新たに Python でのエージェント開発環境も提供されることになった。Python は機械学習のライブラリなどが豊富なため、DCOP を適用するためのライブラリを開発するとともに、機械学習によるタスク割り当て問題の改良についても模索していく。
|