研究課題/領域番号 |
21K12062
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
楠木 祥文 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 講師 (30588322)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 機械学習 / プロトタイプ分類モデル / ファジィ最大値関数 / 数理最適化 / プロトタイプ分類 |
研究開始時の研究の概要 |
科学的な意思決定において,その対象を数理的にモデリングすることは必要不可欠である.近年,大量のデータと汎用的数理モデルを用いた機械学習に基づくモデリングが注目されている.意思決定のためのモデリング手法として機械学習を考えたとき,意思決定者がその過程を理解し点検・修正できるように,学習された数理モデルの振る舞いが説明可能であること(モデルの透明性) と,学習の原理が明瞭で合理的であること(モデリングの透明性) が学習手法に期待される.本研究課題では,二つの透明性を考慮して,プロトタイプ分類モデルと数理最適化に基づく学習手法を開発する.
|
研究実績の概要 |
本件研究の目的は,モデリング過程とモデル自身の両方の透明性を備え,かつ,高い汎化性能をもつ機械学習手法を開発することであり,そのために,機械学習モデルの一つで あるプロトタイプ分類モデルを研究している.前年度の2021年度では,種々のファジィ最大値関数に基づくプロトタイプ分類モデルを提案し,その性能を数値実験で評価したが,そのとき,ファジィ化で必要となる正則化関数が,意図しない影響を分類性能に与えることがわかった.そこで,2022年度では,モデルに次のような修正を施した.従来法では,k-means法を意識して,データとプロトタイプ間の2乗距離ベクトルにファジィ最小値関数(最大値関数から導出される)を適用した後に平方根を適用することで,距離ベクトルのファジィ最小値を得ていた.それを,2乗距離ベクトルに要素毎の平方根を適用した後にファジィ最小値関数を適用するように修正した.このとき,平方根とファジィ最小値関数の合成関数が凹関数になることに着目し,従来法と同様の逐次的な線形近似アルゴリズムが適用できることを示した.2次元平面上の人工データを用いて,修正モデルが正しく動作することを確認した.また,平方根の(ファジィ)最小値関数が凹関数になることと,k-means法が逐次的な線形近似アルゴリズムであることを組み合わせることで,外れ値に頑健なロバストk-means法を提案し,その性能を2次元平面上の人工データで確認した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題で計画していた,プロトタイプ分類モデルのファジィ化は順調に進展している.前年度に判明した,ファジィ化のための正則化関数の意図しない影響についても,モデルを修正することで対処した.修正したモデルの性能評価は,前年度の数値実験をある程度参考にできると考えられる.
|
今後の研究の推進方策 |
前年度と今年度の研究成果を論文にまとめ雑誌に投稿する.また,修正モデルの性能を数値実験で評価し,その結果をまとめ,学会等で発表する.さらに,修正モデルを考案する過程で提案したロバストk-means法の評価実験も行う.研究計画で挙げている,距離関数の変更やパラメータ化による改良方法についても具体的に提案する.
|