研究課題/領域番号 |
21K12076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61050:知能ロボティクス関連
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
道木 加絵 愛知工業大学, 工学部, 教授 (00350942)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自己位置推定 / 自律移動体 / センサフュージョン / 深層学習 / 確率分布間距離 |
研究開始時の研究の概要 |
自律移動体が屋内外で搬送・点検・清掃等の多岐に亘る作業を実現するには、頑健かつ高精度な自己位置推定が必要不可欠である。本研究では、移動環境に依存しない頑健かつ高精度な自己位置推定実現のため、自律移動体自身が持つセンサ情報だけでなく、他の自律移動体、更には環境に設置されているセンサ情報を適切に選択・統合する手法の構築を目指す。本研究では各センサ情報から算出される自律移動体の推定位置は確率分布で表されるとする。そして、これらを確率分布間の重み付き距離に基づき選択的に統合することで自己位置推定の頑健化・高精度化を実現する。
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研究実績の概要 |
本研究は、自律移動体自身が持つセンサ情報だけでなく、環境に設置されているセンサ情報や他の自律移動体のセンサ情報を適切に選択・統合することで、移動環境に依存しない頑健かつ高精度な自律移動体の自己位置推定の実現を目的している。 2021年度には、環境に設置されたセンサ情報を統合した位置推定手法確立の第一弾として、近年様々な所に数多く設置されている監視カメラを想定し、カメラから取得された画像をセンサ情報の具体例として取り上げた。そして、画像を用いて監視カメラから見た時の自律移動体の相対位置推定システムを構築した。更に、2022年度には、それまでに構築した画像を用いた自律移動体の位置推定システムについて、精度検証並びに誤差評価を行った。更に、複数個所に設置した監視カメラから取得した画像による位置推定結果を統合し、位置推定精度が向上することを確認した。また、センサ情報統合のための確率分布モデルを導出する誤差評価を行い、正規分布で誤差分布近似が可能であることを示した。 2023年度は、深層学習におけるデータ拡張技術を応用して画像を用いた位置推定性能の更なる向上を目指した。また、画像以外のセンサ情報としてUWB(Ultra-Wide Band)センサを導入した。UWBセンサとは超広帯域の周波数帯域幅を利用する通信方式を使った距離センサで、複数のアンカとタグ間の距離を元に、3次元空間中におけるタグの位置を求めることが出来る。まず初めに、UWBセンサを使った自律移動体の位置推定方法について検討した。そして、センサ情報統合のための確率分布モデルを導出する誤差評価を行い、正規分布で誤差分布近似が可能であることを示した。以上の研究成果について、国内会議で2件の研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度下期に、研究代表者の病気の治療・療養のために半年間研究を中断したため、2021年度の計画にかなりの遅れが生じていた。2022年度は研究協力者並びに研究補助者の人数を増やし、複数の実験を並行して行ったため2021年度の遅れはある程度挽回できたが、十分ではなかった。2023年度においては、研究協力者の体調不良により、実験システムの構築や実機実験を効率よく進めることが難しかったことが原因である。また、実機のセンサ情報統合システム構築や、画像を用いた位置推定システム構築において、思わぬトラブルが発生し、実験システムの再構築等の必要が出たことも一因である。更には、画像を用いた位置推定システムでは、設置場所の変更に伴う位置推定精度の劣化がまだまだ課題で、当初の計画よりも大幅な改善が必要であったことも理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、カメラ画像並びにUWB各センサ単体を使用した自己位置推定システムの更なる位置推定精度向上を目指す。これと同時に、昨年度までに求めた誤差分布モデルを元に、カメラ並びにUWBセンサ情報の選択・統合による自律移動体の位置推定システムの構築と推定精度の検証を行う。また、あるロボットから見た時の他のロボットの相対位置推定システムの構築を行い、その位置推定結果の統合が行えるシステムの構築を目指す。
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