研究課題/領域番号 |
21K12082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
野本 弘平 山形大学, 大学院理工学研究科, 客員教授 (60456267)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 視線計測 / 薄暮 / 歩行者 / 交通事故 / Time to Collision / 視行動 / 衝突余裕時間 / 接近車両 / 視知覚 / 日中 / 夜間 / 印象 / 注視 / 日中と日暮れ / TTC (Time to Collision) |
研究開始時の研究の概要 |
夕暮れになると,景色が印象的に見える一方で,歩行者と自動車との交通事故は増加する.これら二つの事実は,共に共通の原因によるものと考える.すなわち夕暮れになると日中とは異なる視行動となり,取得される視覚情報が異なるのに,そのことが意識されずに同一のものとして扱われることにより,印象や判断が影響を受けるという仮説を想定する. 視線計測装置を装着した実験協力者が日中と夕暮れに街中の道を歩く実験を実施し,そこで得られたデータを,主体(街を歩く人),環境(日中と夕暮れの周囲光条件),対象(視対象)の観点から解析を行う.
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研究成果の概要 |
薄暮には,歩行者と車両との交通事故が多発する.本研究は,この問題を歩行者の側から,薄暮特有の視行動に注目して検討したものである. 実験参加者が視線計測装置を装着して,日中,薄暮,夜間に歩行する実験を行った.視線は,空間座標上の数値データに変換して定量的に解析した.また,歩行者と車両との距離を視線計測データから推定する方法を開発した.さらに,ETTCという指標を定義して危険回避までの時間的余裕を評価した. 解析の結果,薄暮は日中や夜間に比較して,視行動は見つめる傾向が増し,探索空間が左右方向で狭まり,そして対向車両に気づく時点での危険回避までの時間的余裕が少なくなることが明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薄暮には歩行者と車両との事故が多発する.従来は運転者の側からの研究が多かったこの問題を,本研究は歩行者の側から扱ったものである.また,薄暮の視行動は日中と夜間との中間的なものではない特有のものであり,これが歩行者の側の問題になっている,という仮説に基づいている. 本研究の解析は,以下の特徴を持つ:(1)視線計測装置の出力を数値データとして定量的に解析した.(2)歩行者と車両との距離を,視線計測データから推定する方法を開発して用いた.(3)ETTCという指標を定義して危険回避までの時間的余裕を評価した. 研究の結果明らかになった事実は,無意識の視行動であり,交通事故の削減に寄与するものである.
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