研究課題/領域番号 |
21K12085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
長坂 一郎 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (10314501)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | デザイン論 / 「動き」 / フローズン・エフェクト / 動き / デザイン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず知覚心理 学においてフローズン・エフェクト (Frozen Effect) と呼ばれる現象に注目し、この実験パラダイ ムを用いて「動き」が商品の評価を高めることを実験によって確かめる。さらに、どのような形 態・質感のものがどのような「動き」によってより評価を高めるのか調べ、「動き」とデザイン 評価の対応関係のマップを構築する。これにより、「動き」とデザイン評価の一般的な関係を明ら かにし、「動き」に関わるデザイン評価の理論的基盤の構築に貢献する。
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研究実績の概要 |
本年度は、瞬間のうちに現れるファッションという現象について、ファッション・ショーの初期のあり方を参照しつつ、心理学実験の結果を踏まえて議論した。まず最初に、空間的・概念的境界面と機能との関係について、ハーバート・サイモンの「インターフェイスとしての人工物」という考えに基づいてファッションと機能のパラドクシカルな関係について分析し、次に、過去と未来の時間的境界については、ファッションに関するジョージ・ダーウィン(チャールズ・ダーウィンの息子)の言説を紹介しつつ、機能に基づかないことを特徴とするファッションの変化について考察した。最後に、瞬間のうちに現れるファッションという現象について、ファッション・ショーの初期のあり方を参照しつつ、心理学実験の結果を踏まえて議論した。いずれの場合においても、ファッションと機能との間にある一筋縄ではいかない関係が浮かび上がった。本研究は、この「瞬間」という「動き」によるデザイン評価の変動を測定するものであるが、ファッションにおけるデザインを考えるためには、この「動き」と機能との関係を考察する必要がある。ファッションの3種類の境界面における機能とファッションのあり方の分析を通して、デザインにおける「動き」の効果についての理解が深まり、実験前の概念的整理が終わった状態である。研究代表者が研究科長となってしまったために、研究は遅れ気味ではあるが、研究科長職の任期が終了した本年度以降、本課題の遂行に専念できる環境が整いつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が所属する部局の研究科長となったことと、研究開始当初の Covid-19 の影響により研究の進捗は若干の遅れを見せている。研究科長職も終わり、この遅れを挽回しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
今後、「課題 3: デザインの種類による「動き」の効果の変動の測定」を進める。また、デザインにおける「動き」の効果を測定するための具体的な実験方法を考案する。
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