研究課題/領域番号 |
21K12092
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
松川 睦 日本大学, 医学部, 准教授 (90318436)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 感性脳科学 / 感性形成機構 / 個体差形成 / ストレス反応 / ストレス緩和 / 抑制性神経回路 / 梨状葉皮質 / 前梨状葉皮質 / 次世代シークエンス / 抑制性回路 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は感性における個体差の形成過程を解明するため、げっ歯類において先天的に生じるキツネ臭や猫臭などの捕食者臭誘発ストレス反応を指標として、経験に伴って価値判断基準が改変される過程で活性化される脳内の選択的な抑制システムについて、特に一次嗅覚野である前梨状葉皮質を対象として、まず抑制性神経伝達物質を探索し、続いて詳細な神経回路網を特定することで、どの神経回路もしくは神経細胞が選択的な抑制システムに重要なのかを解明する。
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研究成果の概要 |
感性における個体差の形成過程を解明するため、動物が先天的に持っている価値判断基準が生後の経験によって改変される際の脳内抑制システムを推定することを目的とし、脳内の嗅覚情報処理過程に沿って匂いストレスに関与する遺伝子発現の変化をもとに抑制システムを探索した。 嗅覚情報を最初に受け取る嗅球では、遺伝子発現に相違が認められなかった。続いて嗅球からの嗅覚情報を受け取る前梨状葉皮質の解析を行ったところ、背側部で匂いストレス発現に関わる可能性のある遺伝子が、また腹側吻側部で匂いストレスの緩和に関わる可能性のある遺伝子が発現変動しており、これらをもとに梨状葉皮質内の抑制性神経回路の推定を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに動物が先天的に持っている価値判断基準が生後の経験によって改変される際に、脳内では直接的かつ選択的な抑制システムが関与していることを示してきた。つまりこの抑制システムの詳細が解明されることは、感性における個体差の形成過程を明らかにするための重要な知見をもたらし、ヒト個々人において感性の相違を生じる重要な要因を解明するために有用である。さらにそれぞれ個別の刺激に対する意図的なリセットや反応抑制などが可能となり、各個人における生活の質(Quality of Life (QOL))の向上にも影響を与えるものと期待される。
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