研究課題/領域番号 |
21K12097
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
小野 景子 同志社大学, 理工学部, 准教授 (80550235)
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研究分担者 |
花田 良子 関西大学, システム理工学部, 准教授 (30511711)
大木 健太郎 京都大学, 情報学研究科, 助教 (40639233)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 感性モデル / 深層学習 / 遺伝的プログラミング / 意思決定 / モデル選択 / 量子アニーリング / クラスタリング / インテリア推薦 / 感性 / 人工知能 / 重要ルール抽出 |
研究開始時の研究の概要 |
インテリア推薦システムは,購入したい家具に形状や色合いの似た家具を列挙する手法や,画像に埋め込まれたテキスト情報を使って購入したい家具に合う別の家具を提案する手法などが提案されている.しかしこれらの手法は購入者の家具を使う場面が考慮されていない.使用する場面を考慮したインテリア推薦システムが未だ存在しない理由の一つは,感性という曖昧な情報のモデル化が非常に困難なためである.より利便性の高い高度な推薦システムの開発のために,本研究では,(1)感性特徴量を解明し,(2)(1)の特徴量を融合し,(3)重要ルールを考慮した感性に基づくインテリア推薦法の確立を目指す.
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研究実績の概要 |
ユーザーの感性推定モデルは商品の購買時の商品評価や購入履歴や映画のレビュー評価などの明示的なデータを用いて評価されることが多いが,商品画像や映画のポスターなどの視覚データはユーザの好みを大きく映し出すと考え,今年度は画像の特徴量やユーザが好む画像にはどのような特徴があるかまで分析できる深層学習モデル,ルールベースに基づく学習モデルの開発に取り組んだ.画像は,1つのオブジェクトが写っている簡単な画像ではなく,複数のオブジェクトがあり,かつその中に好むオブジェクトがある,またはオブジェクト間のコンビネーションに意味があるというような,ユーザーが買い物などの場面で遭遇するシチュエーションに近くなるよう,具体的には家具を含むインテリア画像からのユーザー趣向のモデル化を行なった. ルールベースに基づく手法では,重要な部分ルールの抽出が必須であるため,連結グラフの最適化手法の改良,ルールの意味理解のための基盤技術である量子アニーリングマシンの改良を行った.具体的には,ホストスイッチネットワークなど,次数が不定の連結グラフの最適化問題において,設計変数空間を固定しないもとでSimulated Annealingで適応的に最適化を行う手法の構築を行い,その性能を評価した.また,量子アニーリングマシンの性能向上について,あえて雑音を乗法的に加えることで性能向上させることができることを理論的に示し,学会発表した.アニーリングは,計算時間をかければかけるほど最適解を得られる確率が上がるが,雑音の大きさを調整することで短い計算時間でも同じ効果が得られることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はAttention Mapと呼ばれる深層学習における可視化法を用いて,ユーザーが好むインテリア画像のどのエリアを注目していそうかを推定した.また,ユーザーの好みは多様であると仮定し,Attention Mapを多層化するモデルを提案し好みごとにMapを出力する機構を構築した.具体的には好みをインテリア画像のスタイルと読み替え,日本風,ヨーロッパ風,スカンジナビア風などスタイルを推定しながら,同時に日本風と推定した画像の注目領域を推定するモデルを構築した.また,ルールベース手法では特徴量をもとにルールを構築していくが,画像特徴量の欠損が大きな問題であることが分かった.例えば画像のソファーの素材特徴量を用いる場合,画像によってはソファーが無い画像もあり,その場合ルールの作成に失敗し,またそのようなケースが多く確認できた.そのため,欠損データを他の特徴量に基づき,類似する画像から推定するベイズ推定ベースの手法を開発した.現在は性能評価実験を行なっている. 連結グラフの最適化では,木やホストスイッチネットワークなどグラフ構造最適化において,精度が高く,かつ効率的に解く手法の開発が目標である.今年度は1点探索のSAに基づく手法を開発した.また,量子アニーリングに基づくルール分析においては,カーネル関数を用いた距離空間上のデータ分類について,diffusion maps と呼ばれる手法を中心に検討している.融合手法のルールの意味理解のために,得られた結果の良し悪しを判断するための尺度は,数学的には異なるサイズの木構造を比較できるものでなければならない.Diffusion maps を用いた手法は,抽象的な距離空間上のデータ分類ができることまでは明らかにしており,適切な距離を構成することで異なるサイズの木構造を比較検討することができる.
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今後の研究の推進方策 |
本年,ユーザの好みを推定するためにインテイアスタイルの推定だけだなく,被験者実験による好みデータを取得し始めた.サンプル数を増やし,開発した手法における性能評価を実施したい.また,被験者実験において,インテリアのスタイルの感じ方はユーザーによって大きく変わること,またスタイルを分けれないケースが多くあることが分かった.例えば日本風とアジア風など.そのため,推定モデルを改良し,複数ラベルを許容するモデルに改良することを考えている. 連結グラフの最適化では,木やホストスイッチネットワークなどグラフ構造の問題に対して,遺伝的アルゴリズムなどの進化計算を用いた,より大域的な探索の実現が来年度の課題である. また,進捗状況に書いたように,量子アニーリングモデルにおいては,ルールの意味理解のための具体的な良い距離を明らかにし,それに基づいた木構造の良し悪しを検討する.2021年度に報告したように,以前研究発表した移動エントロピーは尺度の1つの候補であり,カーネル関数の手法と融合することで良い木構造の判別を行っていく.
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