研究課題/領域番号 |
21K12106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
杉田 昌岳 東京工業大学, 情報理工学院, 研究員 (30737523)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | インシリコ創薬 / ドッキング / 3D-RISM / 溶媒和 / 分子間相互作用 / フラグメントベースドッキング / 創薬 / 3D-RISM理論 / ゆらぎ / アンサンブルドッキング / 揺らぎ |
研究開始時の研究の概要 |
計算機を用いて薬剤候補分子を探索するためにはレセプター分子に強く結合するリガンド分子を効率よく探索する必要がある。但し、主な創薬ターゲットである蛋白質と薬剤候補分子は溶液中にて相互作用するため、リガンド分子を効果的に探索するためには、分子間の直接的な相互作用と溶媒和を共に考慮した手法開発を行う必要がある。 そこで本研究では、分子液体の統計力学理論である3D-RISM理論を応用することで溶媒和の効果を正確に取り入れた上でリガンド分子の結合部位や結合親和性を予測可能なドッキング法を開発する事を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は溶媒和の効果を3D-RISM理論に基づいて正確に取り入れた上でリガンド分子の結合部位や結合親和性を予測可能なドッキング法を開発する事を目的とした。そのために、蛋白質周囲におけるリガンド分子の複数のフラグメントの分布に基づく結合親和性の予測法を開発し、低分子リガンドの正確な結合ポーズを識別可能であることを確認した。また、蛋白質分子のゆらぎを考慮したアンサンブルドッキング法の開発も試み、リガンド分子との共結晶が存在しない場合でも、リガンドフラグメントの結合部位を予測可能であることを確認した。さらに、本手法が多原子イオンの透過経路の予測にも応用可能であることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した手法は溶質分子だけではなく溶媒分子も原子レベルの解像度で取り扱った上でドッキングを行う。それは、通常分子動力学シミュレーションを用いたハイコストな方法でしか計算することが出来なかった、溶質・溶媒間の水素結合の影響を加味した上で、リガンド分子の結合部位や結合親和性を予測することを可能とした。それはドッキング計算の予測精度を高めるためのこれまでに無いアプローチであった。溶媒分子を原子レベルの解像度で扱うことは通常のドッキングでは予測が不可能な“水やイオンを介したリガンドの結合”の予測も可能とする。この点も既存のドッキング手法では達成することが不可能な点であった。
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