研究課題/領域番号 |
21K12111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
小野 直亮 奈良先端科学技術大学院大学, データ駆動型サイエンス創造センター, 准教授 (60395118)
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研究分担者 |
大内田 研宙 九州大学, 大学病院, 講師 (20452708)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 医用画像解析 / 深層学習 / 病理組織画像 / 診断支援 / 教師なしクラスタリング / 膵がん / 免疫染色 / 多種染色法 |
研究開始時の研究の概要 |
病理組織画像のような特殊な画像に対してニューラルネットワークを適用しようとする場合には、既存のモデルではなく画像の特性に合わせた特徴抽出の方法を最適化させる必要がある。本研究では申請者が開発した分散学習型オートエンコーダーを用い、教師なし学習による画像の特徴のクラスタリングを学習させる。学習したモデルをもとに、膵がんの細胞の形状のパターンを分類するための深層学習モデルを構築し、膵臓組織の細胞の表現型を定量的な指標で表せるようにすることで、膵がんの状態の理解と分析につがなると期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、膵臓癌の診断支援のため、KPCマウスのホールスライド画像(WSI)を用いて深層学習を使った教師なし学習による細胞組織の分類モデルを実装した。WSIからランダムに作成されたパッチ(128×128および64×64ピクセル)をオートエンコーダーによる非線形写像により潜在空間に埋め込み、情報量最大化を用いてクラスタリングを行った。クラスタリングの結果をUMAPを使用して2次元空間に可視化したところ、生理学的な細胞の種類と対応するクラスターが観察された。最適なクラスタ数を決定するために、いくつかの内部クラスタ検証指標によって評価し、13または14種類の構造があることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、膵臓癌の診断支援におけるコンピュータ支援診断(CAD)の役割を強化する点で重要である。教師なし学習を用いたクラスタリング手法により、膵臓組織の異なる特徴を自動的に分類することが可能となった。特に、複数の染色法を組み合わせることで、注釈のないデータからでも細胞組織の分類を実現し、病変部位の詳細な把握を可能にした。この技術は、医療現場における診断精度の向上と、診断作業の効率化に寄与する。また、病理学研究における新たな情報の発見にも繋がる可能性がある。
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