研究課題/領域番号 |
21K12112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
能登 香 北里大学, 一般教育部, 准教授 (20361818)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 糖鎖 / 分子認識機構 / 多価結合 / 分子動力学 / 量子化学計算 / 付着因子 / 毒素 / アドヘシン / 生体分子間相互作用 / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
生体内では,様々な糖鎖が細胞膜の構成成分として広く分布し,その糖鎖が認識される際の特異性により,細胞や特定の器官が高度に識別され,体内のタンパク質の品質管理の役割を担っている.しかし,タンパク質と糖鎖間の結合はさほど強くない.複数の糖鎖のまとまりが「模様」として認識されているという実験結果が最近報告され,その応用が注目されているが,このような「リガンドの多価結合による相互作用」を理論的に扱うシミュレーション方法は開発されていない.本研究は,リガンドが多価結合する際の認識特異性を明らかにすることができる,新たなシミュレーション方法を開発する.
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研究成果の概要 |
本研究は,生体内でリガンドが多価結合する際の認識特異性を評価するための新たなシミュレーション方法の開発を目的としている.病原性細菌の付着因子における糖鎖認識,およびベロ毒素の標的細胞での糖鎖結合において,糖鎖が多価で結合することが実験的に示されているため,これらの複合体の構造情報及び糖鎖との親和性に関する熱力学的実験結果を利用し,分子動力学シミュレーションおよび量子化学計算から糖鎖が関与する多価相互作用の詳細を明らかにした.この結果をもとに生体内における多価結合による分子認識機構を解明するためのシミュレーション手法の開発を行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体内で細胞や特定の器官が高度に識別される際,細胞膜の構成成分として広く分布する様々な糖鎖の認識特異性が使われているが,糖鎖とタンパク質間の親和性自体は強くないため,糖鎖が多価で結合することで親和性を高めていることが示唆されている.このような生体内での多価結合の詳細に関する理論は未だ確立されていない.生体内の糖鎖構造決定は難しく,実験的な解明は限られているため,生体内多価相互作用を扱えるシミュレーション手法は社会的にニーズがある.このシミュレーションによって明らかになる基礎情報は学術的に意義があると共に,新規薬物,薬物輸送糖鎖修飾分子の設計指針となる.
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