研究課題/領域番号 |
21K12115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
宮下 尚之 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (20452162)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | アルツハイマー病メカニズム / 分子動力学シミュレーション / 立体構造予測 / α切断酵素 / β切断酵素 / APP / REMD / アルツハイマー病 / 膜タンパク質 / 切断酵素 / タンパク質構造モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病の分子機構の特に初期過程を明らかにする為に、アルツハイマー病の起点となる分子機構であるβ切断酵素とアミロイド前駆体タンパク質(APP)の特異的な動的相互作用機構の詳細を、タンパク質モデリングと分子動力学シミュレーションで明らかにする。そして、β切断酵素のAPP切断に至る機構の詳細を解明する。また、可能であればα切断酵素に対しても同様の研究を実施し、将来的にはこのプロセスを制御するような薬剤設計の指針を得る。
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研究実績の概要 |
アルツハイマー病の患者数は年々増加しており、その増加率抑制は将来の保険医療の運営にも必要不可欠である。アミロイド・βペプチドやタウ繊維形成などが疾患の有望な起因としてアミロイド・カスケード・仮説が知られている。アルツハイマー病の初期分子過程では、アミロイド前駆体タンパク質(APP)がまずβ切断酵素によって切断され、次にγ切断酵素によって切断されることにより、アミロイドβペプチドが生成される。これがアミロイド繊維に成長する。一方でアルツハイマー病にならない通常の過程では、APPが最初にα切断酵素によって切断されたのちにγ切断酵素によって切断され、正常に廃棄される。この時、APPに対するα切断酵素によるアプローチとβ切断酵素によるアプローチが、アルツハイマー病の命運を分ける。この相互作用に至る過程の違いを原子レベルの解像度で調べる研究を実施した。 しかし、β切断酵素もα切断酵素も水溶性部位の構造のみわかっているが、APPとの結合に関与するであろう膜貫通部位を含む全長構造はわかっていない。そこで最終年度までの研究で、α・β切断酵素の全長構造のモデリングとAPPとの相互作用に至る過程についての研究を実施し、それぞれの全長構造のモデル構造を得ることができた。またそれらのMDシミュレーションを実施した。 最終年度はそれらのMDシミュレーションからAPPのβ切断酵素へのアプローチの仕方と、α切断酵素へのアプローチの仕方について調べた。α・β切断酵素の水溶性部位は揺らぐが、異なる揺らぎを持つことがわかった。α切断酵素の水溶性部位の方がβ切断酵素より揺らぎが小さく、APPはβ切断酵素よりアクセスが容易であろうことがわかった。APPは通常α切断酵素に切断されるが、水溶性部位の揺らぎの違いはその原因の一つではないかと考えられる。
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