研究課題/領域番号 |
21K12135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62020:ウェブ情報学およびサービス情報学関連
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研究機関 | 龍谷大学 (2022) 東北大学 (2021) |
研究代表者 |
菅谷 至寛 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (80323062)
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研究分担者 |
宮崎 智 東北大学, 工学研究科, 助教 (10755101)
大町 真一郎 東北大学, 工学研究科, 教授 (30250856)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歩行者ナビゲーション / 位置推定 / computer vision |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは、掲示されたフロアマップとスマートフォン内蔵のセンサだけで、施設管理者の協力がなくても屋内ナビを実現できる「ユーザー指向」な手法の研究開発を行ってきたが、デフォルメされ歪みの大きいマップも存在し、これまでの手法では対応できない事が分かった。 本研究課題では、「ユーザー指向」の特徴を維持しながら、デフォルメされた歪のあるマップでも歩行者ナビゲーションを可能とすることを目的とし、ユーザーの負担にならない方法で位置の補正・縮尺の補償を行うための技術を開発する。
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研究実績の概要 |
研究代表者らは屋外ナビゲーションが限られた場所でしか利用できないことに問題意識を持っており、利用者のために掲示されたアナログのフロアマップとスマートフォン内蔵のセンサだけで、施設管理者の協力がなくても屋内ナビを実現できる「ユーザー指向」な手法の研究開発を行ってきた。しかし、掲示されたフロアマップには大きな歪があるものも少なくなく、そのようなマップに対応することが本研究課題の目的である。 当該年度では、Bluetooth Low Energy(BLE)によるすれちがい通信を用いたcollaborativeな位置補正方法について研究を行った。ユーザがすれ違った際に、現在の推定位置を交換し、その情報をもとにそれぞれの位置を修正する。 BLEでのすれ違い通信では、複数の通信が確立されることを防ぐことで、近接時に500Byteでの通信を安定的に実現するアーキテクチャを実現した。また仮想の歩行データを用いて有用な15種の特徴量を含む精度判断データセットを構築し、LightGBMによって予測を行うことで2つの端末の位置推定を比較する手法を考案した。さらに推定補正では、精度比較の出力値を利用した新たな位置の補正と方位の修正手法を提案した。実験では、8施設の16経路にて提案した精度判断手法によって87.1%の正解率が得られ、粒子フィルタの情報を用いて高精度な推定比較が可能なことを示した。またすれ違い通信を用いた新たな位置と方位の補正手法によって、精度比較の結果と相手位置を適切に使用することでベースライン手法を14.2%改善することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度はすれちがい通信を用いたcollaborativeな位置補正手法を主に検討する計画で、これについては当初の予定以上の成果を得ることができた。 一方、フロアマップの解析・理解については、当該年度はじめに研究代表者が所属機関を変更し研究体制を整えるのにある程度の時間が必要だったこともあり、当該年度ではあまり進展していない。 しかし、これは歪みのあるマップに対応するために考えた様々な方策のうちの一つであり、うまく行っている方策によって課題の目的はある程度達成できるため、総合すると計画の遅れは軽微である。
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今後の研究の推進方策 |
これまで進めてきた天吊り案内板を用いた手法を一般化し,適用可能範囲を拡大するための手法を検討する。また、これまでフロアマップの解析は主に粒子フィルタによるマップマッチングに必要な通路領域の抽出のみについて検討してきたが、より多くの情報を抽出するための検討を行う。 さらに、これまで開発した手法を有機的に連携し一つのシステムとして動作させるために必要な課題を整理し,システムを構築する。
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