研究課題/領域番号 |
21K12145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62020:ウェブ情報学およびサービス情報学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
森田 裕之 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 教授 (80295732)
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研究分担者 |
白井 康之 大東文化大学, 経営学部, 教授 (20597512)
後藤 裕介 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (40454037)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | データマイニング / BLEビーコン / エージェントベースドシミュレーション / ID-POSデータ / 店舗内回遊モデル / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
研究目的を達成するため,統合化購買行動履歴データを用いて店舗内回遊データから店舗内での回遊行動を有向グラフで表現し,ノードの移動パターンや移動位置の遷移確率を利用してモデル化し,この回遊モデルに実際のID-POSデータから構築した購買モデルを統合することで,顧客の購買行動を再現するモデルとして完成する.最終的には,この統合モデルを用いてマルチエージェントシミュレーションを行い,その妥当性について評価を行う.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,共通の顧客IDを持つ店舗内回遊履歴データと購買履歴データを併合した統合化購買行動履歴データを用いて,顧客の店舗内での回遊行動と購買行動の関係を統合的にモデル化し,顧客の店舗内での消費者行動を明らかにすることである.今年度は,前年度までに開発したアルゴリズムに関して,特に非計画購買に関係する店舗内回遊行動に基づく,購買モデルの修正に注力して研究を行った.アルゴリズムの改善に基づく,マルチエージェントシミュレーションの結果を実データと比較して,十分な精度改善に成功した.これによってこのシミュレーションモデルに基づく,プロモーションの効果などを予測することが可能となった.次年度においては,これらのシミュレーションモデルの微修正を行うとともに,実際のプロモーション効果の予測などを行って,より現実的な応用に関する示唆を得たいと考えている.これらの研究成果としては,以下のような研究成果を得るとともに,次年度において,国際会議(EUROMA 2024)での報告が1件採択されているとともに,現在もう1件の国際会議での報告をするべく,投稿を行っているところである. ・ 森田裕之, 白井康之, 楠木祥文, 河合亜矢子, 後藤裕介,"CBAIによる社会的重大イベントの影響に関する分析",経営情報学会 全国研究発表大会要旨集,(2023年全国研究発表大会, 東京理科大学) 371-374 2023年11月 ・白井康之, 河合亜矢子, 森田裕之, 楠木祥文, 後藤裕介,"時系列売上データのSTL分解に基づく商品分類",経営情報学会 全国研究発表大会要旨集(2023年全国研究発表大会, 東京理科大学) 367-370 2023年11月 ・白井 康之, 森田 裕之,"不明を含むアンケート回答の信頼性評価手法",計測自動制御学会 第34回社会システム部会研究会, 2024年3月
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,前年度の研究成果を踏まえ,購買行動モデルのアルゴリズム改善に焦点をあてて研究を行った.前年度開発していた店舗内の商品エリアでの顧客の滞在時間を説明変数とする購買確率を与えるモデルをより精緻化し,顧客のタイプを4つ識別したうえで,それぞれに適した購買確率を与える工夫を行った.また,店舗内回遊についても,顧客の実際の店舗での行動に近いと考えられるメカニズムを追加的に導入することによって,アルゴリズムの改善を試みた.これらの改善を行ったアルゴリズムを用いてマルチエージェントシミュレーションを実行し,実際の値との比較評価を行った結果,回遊モデルおよび購買モデルの両方について,従来のモデルと比較して精度の改善に成功している. モデル構築やシミュレーションの実施においては,研究課題に度々遭遇しているが,課題解決においては,ZOOM会議などを通じて共同研究者間で適切に会議を開催して対応が行えている. 今年度は当初予定していたモデルの改善を実施でき,プロモーションを実施した際のプロモーション効果を予測するためのベースを構築できたと考えており,研究成果も報告している.そのため全体として,研究プロジェクトは,概ね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は,共通の顧客IDを持つ店舗内回遊履歴データと購買履歴データを併合した統合化購買行動履歴データを用いて,顧客の店舗内での回遊行動と購買行動の関係を統合的にモデル化し,顧客の店舗内での消費者行動を明らかにすることであり,2024年度の研究内容に関する計画としては,前年度までの研究成果を踏まえ,店舗内回遊モデルにおける顧客の店内移動と購買行動をより実際のデータに近づけるためのアルゴリズム改善を行うとともに,これまで開発した方法を,他店舗へも応用して,その汎用性をはかりたいと考えている.また,これまで開発したモデルによって,実際の結果を十分に再現することができるようになっている.そこでこのモデルを利用して,様々なプロモーションなどを実施した場合を想定した,シミュレーションに基づく結果予測なども実施したいと考えている. 研究成果については,2023年度までと同様に積極的に発表を行っていこうと考えている.現在,国際会議で1件の報告が決定しており,可能であれば,もう1件の国際会議での報告を行うべく,その準備をしている.また研究メンバー間でも,これまで実施が難しかった対面でのディスカッションの機会を積極的に設けながら,より活発な議論を行い研究内容の改善につなげていきたいと考えている.
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