研究課題/領域番号 |
21K12156
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
伊勢 孝之 徳島大学, 病院, 助教 (90621649)
|
研究分担者 |
八木 秀介 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (00507650)
門田 宗之 徳島大学, 病院, 特任助教 (00645187)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 学習支援システム / Withコロナ / オンライン / 臨床実習 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延により、全国の臨床教育施設でこれまで実施してきた対面型臨床実習、臨床見学などが困難となった。臨床実習による教育が停滞すると、今後の医療を担う人材が育たず、新たな医療崩壊につながることが懸念される。これらの社会的背景から、従来の臨床実習に遜色ない、Withコロナに対応した高度オンライン臨床実習システムを構築、提供することが、患者ならびに実習者の安全・安心にとって望ましいと考えられる。そこで、本研究では、従来の臨床実習に代替できる高度オンライン臨床実習教育システムの構築と、その効果の検証を行う。
|
研究実績の概要 |
COVID-19の感染対策に配慮し、従来の臨床実習に遜色のないオンライン臨床実習システムを構築すること、その効果と問題点を明らかにすること、オンデマンド教材を作成することを目的としている。Withコロナに対応した高度なオンライン臨床実習システムを実現するために、処置室やカテーテル室、手術室などに遠隔画像音声(WebカメラやWebマイク)システムを設置し、共同体験や疑似手術体験などがリアルタイムで行える環境を構築した。初年度は手技や検査を中心にオンライン実習システムの構築を行い、本年度は問診や診察、リハビリや患者指導などにもオンライン実習システムを拡大した。また、緊急症例や、基本的手技など学習効果が高いものを中心にオンライン実習の教材を編集しオンデマンド教材の作成を行っている。実習参加者は主に本学の医学生で、BCPレベルが高く学生が病院に立ち入りができない時期は全員オンライン参加とし、BCPレベルが低い時期は密を避けるため現場参加とオンライン参加のハイブリッド実習とした。オンライン実習により多人数の学生に対して、検査や処置をリアルタイムでの共有が可能となり、得られた実習体験から、症例のまとめ・考察とプロブレムリスト、アセスメントプランをプレゼンテーションできるようになった。指導医とともにディスカッションを行い、実習のフィードバックまで実施し、課題や学習目標を上げれるようになった。また、手術や検査のみでなく、問診や患者指導、リハビリなども共同体験できることで、診断から治療、リハビリ、社会復帰までの一連をオンライン実習で完結することができるようになった。本研究での現状までの取り組みと成果を、第27回日本心血管インターベンション治療学会中国四国地方会、第28回日本心臓リハビリテーション学会学術集会で報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究に必要なオンライン実習専用実習室や、ネットワーク環境、カメラ、マイクなど、必要な環境を構築することができ、オンライン実習が予定通り開始できている。また、2022年度はCOVID-19感染症の流行状況に合わせ、現地での臨床実習とオンライン実習を併用したハイブリッド臨床実習を中心として運用できている。ハイブリッド臨床実習は当初カテーテル室での検査や治療が中心であったが、リハビリや患者指導などにも拡張することができている。これらの方法論、取り組みは学会や研究会で発表し他施設との情報共有も行っている。救急症例や、基本的手技を中心にオンデマンド教材の作成も現在行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
実施した高度オンライン臨床実習の効果ならびに今後の課題・問題点の検証を行い論文報告を行う。効果の検証はアンケート調査や、獲得項目の達成度、試験成績などを用いる。アンケート調査では、臨床実習を受けたことによるメリット、デメリット、改善点などを明らかにする。また、高度オンライン臨床実習が成績にどのように寄与するかを導入前と比較し調査する。今後の課題・問題点は、実習生、実習に協力いただいた患者、医療従事者のアンケート結果をもとに検証を行う。また、他施設にも提供可能な高度疑似体験教材やハンズオン教材、オンデマンド型の教育教材の作成を行う。教育教材は、広く提供できることを目標に、教育効果が高くまた、中心静脈カテーテル留置や、気管内挿管など臨床医が獲得すべき代表的な手技を中心に作成する。いずれの教材も、個人情報が特定できないコンテンツ、教育教材として作成する。
|