研究課題/領域番号 |
21K12162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
近藤 啓介 駒澤大学, 医療健康科学部, 准教授 (10310666)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アクティブラーニング / 教育コンテンツ / 課題解決型 / 診療放射線技師教育 / ファントム / 診療放射線技師 |
研究開始時の研究の概要 |
工学分野の「ロボットコンテスト」に相当する診療放射線分野の専門的知識・技術を活用した自ら考え行動できる思考・考察・チーム力を必要とする問題解決型の教育コンテンツの開発が目的である。 提案する教育コンテンツは、X線吸収率の異なる3種類の立方体各9個の合計27個を縦×横×高さ各3個の状態でボックスに入れて外から見えないように封印し、X線撮影装置で撮影し画像から解析して3種類各9個の配置を当てる対戦形式のアクティブラーニングである。 複数大学によ対抗戦ができるようにルールを明確化する事、および難易度の調整、および教育用ファントム(X線撮影をして画像化するための物質)の素材・形状を改良する。
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研究実績の概要 |
「診療放射線技師」の教育における、自ら考え行動できる人材育成のための教育コンテンツを構築した。教育手法としては、開発したX線吸収率の異なる3種類の立方体ファントム(XCUBE)各9個の計27個からなる放射線用ファントムを縦×横×高さ各3個の計27個が入る不透明の黒いボックス(BBOX)に入れ封印する。BBOXをX線装置で撮影し得られた画像を解析し、27ヶ所の位置に3種類のXCUBEのどれが配置されるかを当てる。評価は、解析の速さと正確性、および撮影回数の少なさを点数化した。XCUBEは開発済みの3種類に新たに作成した4種類を加えて解析の難易度調整を行った。BBOXを上部からX線撮影するとXCUBEが3個重なった状態になり、その3個分を透過したX線の強さに応じて画像の画素値が変化する。そこで、画像の画素値が種類により区別がつくような差があり、3つの組合せの10パターンが異なる組み合わせであっても画素値がほぼ同じになるパターンが2組あるようにXCUBEを調整して、3種類を選定した。患者の被ばく低減を意識させるように撮影回数が少なくなるような評価点数に調整した。 2年目には交流大会の方法に改良を加え、より多くのチームが参加しても実施できるようになった。特に事前にX線撮影した画像から各チームが必要と考える画像を選択させる方法により、X線撮影装置が複数無くても開催できるようにした。今回の大会では、駒澤大学、帝京大学、日本医療科学大学の学生6チームが参加した。解析能力・考察力・チーム力・コミュニケーション力について学生のアンケート調査した結果、どの項目も学生から高評価を得ることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教育用ファントムとして立方体ファントムを開発して適切な立方体ファントム(XCUBE)の3種類を選定した。XCUBEを縦横高さ各3個の計27個が入る不透明の黒いボックス(BBOX)をX線撮影して得られた画像を解析して27ヶ所のどの位置に3種類のXCUBEのどれが配置されているかを当てる教育手法を作成した。BBOXを上部からX線撮影すると3個のXCUBEが重なった状態となり、3個を透過したX線の強さに応じて画像化される。3種類から3個を選ぶ組み合わせは10パターン存在し、得られる画素値が全て異なると組み合わせが特定されるので、同じ画素値になるパターンを2組作るような3種類を選び出した。実際に学生の教育として、大学対抗の交流大会を開催することで検証を行い。難易度はやや難しいぐらいに調整が出来た。 また、X撮影をすることが機材の準備と時間が必要であったため、事前に撮影した9方向のX線画像から選択させる方法へと変更したことで、時間的な余裕ができ、3回戦の総合展で競争が可能となり、考察方法の幅を広げることが可能となった。 大学生向け以外として、高校生向けの難易度を下げた縦横高さ各2個の計8個が入るBBOXのを作成し実際に実施した。高校生には原理から説明が必要なものの難易度としては適切に調整ができたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
夏に5大学程度の学生による大会を開催して、教育コンテンツの方法としての活用方法の成果をまとめる予定であり、順調に進んでいる。 4×4×4個の64個のBBOXに関しては、難易度が高く学生による手計算には限界がある。逆に表計算プログラムやディープラーニングを利用する方法であれば解析の可能性がある。新たな活用方法が考えられるので今後検討する予定である。
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