研究課題/領域番号 |
21K12165
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
高田 秀志 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (30378830)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | プログラミングワークショップ / 振り返り / 体験共有 / プログラミング学習 / 振り返り活動 / 画像処理 / 創造的思考 |
研究開始時の研究の概要 |
現代社会における学校教育においては、自ら課題を発見し、解決していくことができる能力を育成していくことが求められている。プログラミングを通じた学習により、このような能力を育成する試みが行われているが、児童にとって、その場限りの体験に終わってしまう場合が多く、持続性の維持や裾野の広がりという点において課題を残している。本研究では、プログラミングワークショップにおける学習体験を情報技術によって共有できるようなプラットフォームの構築を行うことにより、より多くの児童のプログラミングへの興味を喚起し、「発想」「創作」「遊び」「共有」「振り返り」という創造的学びのスパイラルを持続できるような環境を整備する。
|
研究実績の概要 |
子ども向けのプログラミングワークショップを対象に、ワークショップでのプログラム体験を振り返るとともに、ワークショップに参加したことのない子ども達と体験共有が行えるようなシステムの構築を進めている。本研究においては、プログラミングを行っているPCの画面や子ども達の様子を録画し、その中から特徴的な場面を抽出して短時間の動画を生成することにより、その動画を振り返りや体験共有に用いることを目指している。今年度は、前年度に構築したPC画面から重要場面を抽出する手法に関して、国際会議で報告を行った。また、抽出された重要場面には冗長性が多く含まれていたことから、機械学習を用いて精度を上げる方策について検討と実装を行った。本方策では、深層学習により画像認識を行う学習済みモデルを用いて、構成されているニューラルネットワークの中間層からの出力を画像の特徴量として重要場面の抽出に用いている。これにより、前年度に実現したOpenCVによる特徴点抽出を用いる方法に比べて、特徴点の動きなどに関して指定すべきパラメータの数が削減でき、プログラミング作品のテーマへの依存度を減らすことができることが分かった。一方で、課題となっている冗長性については、さらに検討が必要であることも示唆された。加えて、ワークショップにおけるプログラミング体験をより向上させることを狙ったプログラミング作品の共同実行環境の開発や、新型コロナウィルス禍を経て需要が高まっている遠隔ワークショップを開催するための遠隔協調作業関連の基礎的な検討を行い、国内学会において発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プログラミングを行っている画面を録画しておき、その中から振り返りや体験共有に重要な場面を抽出するための手法については、冗長性に問題があるものの、ワークショップの参加者へのアンケート結果などから有効性がある程度確認されている。NPO法人と協力して月に2回程度の割合で開催している実際のプログラミングワークショップにおけるデータの収集についても、新型コロナウィルス禍が落ち着きつつあることから、継続的に実施できている。一方で、子ども達の行動や仕草の中から重要場面を抽出する手法については、ワークショップ参加中はマスク着用としていることから、当初想定していた顔の表情を用いることが困難な状況が続いている。体験共有を行うための動画にどのような場面を含めるべきかについて、再検討が必要であると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度は本研究課題の最終年度であるため、ワークショップにおける実適用と評価を中心にして研究を進める。すでに、月に2回程度でワークショップを行うことが計画されており、これまでに得られた成果を実社会へ還元していく。その上で、前年度までに実施した振り返りのための動画共有にはYouTubeを用いていたが、CMSを用いた独自サイトで実現できる目処が立っていることから、参加者の利便性を考慮して、振り返りや体験共有に特化したサイトの構築を進める。これらの作業については、大学院生を中心とした研究協力者と共同して実施する。ワークショップの参加者はのべ100名以上を見込んでおり、より多くの子ども達に波及効果が生まれることが期待される。また、海外との往来もしやすくなってきたことから、国際会議での発表を通じて研究成果の周知に努める。
|