研究課題/領域番号 |
21K12166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
田中 一基 近畿大学, 工学部, 教授 (60351657)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 体育 / LMS / 関節認識 / 動作認識 / カメラキャリブレーション / 画像補正 / QRコード / AR / DNN / エッジ画像 / 体育LMS / 実技評価 / 電子ルーブリック / 画像認識 / ディープ・ラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
体育の学習管理システム(LMS)が普及する見通しは不透明である.実技評価は主に目視で行われるため,デジタル化の難しさが要因の1つと考えられる.本研究は,体育の実技の動作を画像認識する技術を開発する.次に,実技の到達度を設定する電子ルーブリックと画像認識により,動作の自動評価を行う技術を開発する.この自動評価機能を持つ簡易LMSを開発し,学校での実験評価によって,本技術が体育LMSを推進する要素技術になるのかを明らかにする.
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研究実績の概要 |
研究目的は体育動作の自動評価技術に基づく体育LMSの実用性を明らかにすることである.2022年度までの取り組みにより自動評価技術のベースとなる動作認識技術に見通しが得られ,2023年度の目標は,LMSの構築とその評価実験を行うことである. 研究計画当初は,教師が体育授業中にタブレット端末で撮影した実技映像を動作認識サーバに送信し,認識結果をタブレット端末が受信する構想であった.ここで動作認識サーバは,深層学習で構築する関節認識モデルに基づく動作認識エンジンを搭載したワークステーションである.しかし,関節認識モデルの軽量化技術が進展し,これにより2023年度に,動作認識エンジンをタブレット端末に搭載することができた.この軽量化モデルは,Googleが提供する深層ニューラルネットワーク(DNN)のフレームワークであるMediaPipe(Pose Landmark Detection)をベースとしているが,MediaPipeは被計測者の腰を原点とするローカル座標系で関節座標を認識するため,3次元移動を伴う動作の認識ができない欠点がある.そこで本研究では,カメラキャリブレーションの数理を応用し,ローカル座標からカメラ座標(=世界座標)を推定する手法を開発した.本手法は,推定精度は高くはないがタブレット端末で体育動作を評価するためのアプローチの一つとなり得るものであり,英文論文誌に掲載された. 動作認識エンジンが体育動作を認識した結果と,体育教師が指定した動作のパラメータ値(動作速度,関節の角度など)とを自動比較・評価するLMSをタブレット端末上に構築し,体育教師と硬式野球部コーチに試用結果に関するアンケート調査を行った.対象の体育動作は筋肉トレーニング(スクワット)である.この結果,有用性について高い評価が得られ,研究目的である自動評価LMSの実用化に見通しが得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自動評価技術に基づく体育LMSは有用であることが確認され,研究目的は達成した.ただし筋肉トレーニングを対象としており,球技などの複雑な動作については動作認識上の課題があると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
自動評価を行う体育LMSの研究成果発表を以下の学会で行う. 14th World Congress of Performance Analysis of Sport (WCPAS), 27-30th August 2024.
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