研究課題/領域番号 |
21K12178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
金子 大輔 北星学園大学, 経済学部, 教授 (70397438)
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研究分担者 |
倉山 めぐみ 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 准教授 (20710867)
國宗 永佳 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (90377648)
森下 孟 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (70642528)
山本 樹 明海大学, 総合教育センター, 准教授 (30535266)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 管楽器演奏支援 / 熟達者 / 演奏音指導モデル / 音高 / 音量 / 熟達者の指導方略 / 吹奏楽 / 音の物理量 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,熟達した吹奏楽指導者の有する指導方略と音の物理量(音量や音高)を結びつけることで,演奏音を可視化して演奏者に示しながら,自動的に指導や支援を行う,管楽器の演奏技能向上支援システムの開発である. 演奏音の特徴を把握するため,多様な演奏者の演奏音の収集を行い,それらの物理量を把握する.また,熟達した指導者に,収集した演奏音の評価や演奏指導などについて聞き取り調査を実施する.それらの結果を結びつけ,熟達した指導者が行う技術的な指導や支援を,演奏音の物理量とともに「指導のモデル」として示し,これらのモデルを取り入れた管楽器の演奏技能向上支援システムの開発を目指す.
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研究実績の概要 |
2022年度は,2021年度に着手した管楽器演奏支援システムのプロトタイプの開発を継続して行った.これらについては,Kaneko et al., (2023)において発表したが,とくに,音高と音量について,どの程度までセンシティブに測定するかについて検討することに注力した.たとえば,測定がセンシティブになりすぎれば,演奏していない休止部分でも何らかの雑音を拾ってその音高を表示することがある(ノイズ情報).当初のプロトタイプでは,音高と音量のデータをグラフ化して視覚化する際に,演奏していない休止部分でかなりのノイズ情報が同時に視覚化されてしまう点が問題となった.また,無音時の雑音は手動で除去することで対応が可能であるが,演奏音の中でも倍音の検出が多く,グラフが多層化してしまうことで,演奏者が演奏しようとしている音高(ピッチ)がどれだけ動いているか,が分かりづらくなると言う問題があった. それらに対応し,センシティビティのバランスを取るため,ある程度経験のあるトランペット奏者の演奏音(Bフラットのスケールのロングトーン)を参考としてシステムのチューニングを試みている.このチューニングは現在も行っており,最終年度の早い段階である程度のめどを付けたいと考えている. 現時点のプロトタイプでは,リアルタイムにその音響特性を表示させる部分のUIと,そこから得られる音高と音量のデータをCSVとして出力する部分についてはほぼ完成しているが,最適なチューニングやリアルタイム表示のUI以外の部分については未完成である.なお,演奏音の収集も並行して行っており,ある程度経験のあるトランペット奏者の演奏音以外にも,初心者や中級者のトランペット演奏の演奏音についても録音できている.最終年度は,これらのデータも使用しながら,システムのチューニングや熟達した吹奏楽指導者へのインタビューを実施したいと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大などに伴い,熟達した吹奏楽指導者へのインタビューが引き続き困難であった.また,開発したプロトタイプに関して,音の検出に関するいくつか想定外の事項があり,それらの原因を同定してシステムのチューニングを行うために時間が必要となった.こうしたことから,研究としてはやや遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は最終年度に当たるため,早い段階で演奏音の検出部分のチューニングを終え,システムのプロトタイプの完成を目指すこととする.さらに,「演奏音指導モデル」の作成に取り組みたいと考えている.収集した演奏音をもとに熟達した指導者へのインタビュー調査を行い,演奏音に対する指導者の指導方略を明らかにするとともに,それらをもとに「演奏音指導モデル」を作成する.可能であれば,そのモデルをプロトタイプに反映させ,プロトタイプの実証評価を行いたい.
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