研究課題/領域番号 |
21K12189
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 佐世保工業高等専門学校 |
研究代表者 |
手島 裕詞 佐世保工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (60387503)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | WebXR / VR / 工学実験 / テーラーメード教育 / 遠隔環境 / 仮想現実感 / 工学実験システム / 3Dスキャン / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ブラウザ上に仮想空間を構築できるWebXRを基盤とした工学実験システムを開発し、そのシステムの評価を行う.開発するシステムとしては,装置や器具を扱いながら知識やスキルを高める工学実験教育の特性を重視し,実験で扱う装置等を3次元スキャナを用いて高精度にモデル化することで現実と同等の仮想実験空間を構築する.また,開発したWebXRシステムを工学実験教育の場に導入し,知識の定着やスキル習得の効果を明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、工学実験教育の高度化のためにWebXRを用いた仮想実験システムを開発し、その教育効果を検証することである。2022年度は、2021年度に開発したシステム(プロトタイプ)のアップデートを行い、工学実験システムの教育効果を引き続き検証した。具体的には、高専2年生を対象とした工学実験での教育実践と前提知識が異なる専攻科学生に対してWebXR工学実験システムの検証を行った。また、LMSには事前・事後テストを追加し、スコアとアンケートによって評価した。検証の結果、事前・事後の確認テストからは、理論値の算出や原理の理解が進んでいることが確認できた。特に、前提知識が異なる学生に対しては、全学生の事後テストのスコアが一定基準に到達できていることから、テーラーメード教育としての可能性を示すことができた。また、アンケートからはシステムの操作性やXRの活用について肯定的な意見が得られた。 さらに、テーマの違いによる学習効果の傾向を検証するために、別の実験テーマ(相反の定理の実験)を体験できるWebXR工学実験システムを試作し、被験者に体験してもらいアンケートにより評価した。またHMD(Head Mounted Display)やコントローラを活用した教育システムを開発し、有用性を検証した。これらの検証から、WebXRの導入容易性のメリットを活かしつつ、学習対象によってはHMDなどのデバイスにも対応してく必要があることがわかった。また、工学実験ではシステムとの対話的な操作が重要であるということがわかった。 前年度に引き続き、3Dスキャンデータを活用したモデリングやデータダイエットを行い、工学実験システム内に再現する実験器具を追加し、さらにオンキャンパスでの工学実験環境を再現するために全方位画像を導入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度開発したプロトタイプをアップデートし、工学実験内容(ホイートストンブリッジによる抵抗測定)を再現できるシステムを開発した。さらに、既存の可変抵抗器を3Dデータ化しシステムに組み込むことで、体験実習をより強化する環境を開発した。これまでの結果から、WebXRを用いることや実験前後での知識スキル習得の向上を統計解析により示すことができた。また、別テーマ(相反の定理の実験)を再現するシステムの試作・評価やHMDやコントローラの導入の効果を実践により検証することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究目的であるWebXRを用いた工学実験の教育効果を検証することを優先して進めてきた。今後は、同様の教育効果の検証に加えて、XR工学実験システムの開発を容易にするために3Dスキャナーの活用性を高める。また、HMDやコントローラなどのデバイスの活用に関する分析や工学実験時のオンラインコミュニケーション環境についても検討・評価していく予定である。
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