研究課題/領域番号 |
21K12204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
江淵 直人 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10203655)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 衛星リモートセンシング / マイクロ波センサ / 冬季日本海 / 大気海洋相互作用 / 降雪機構 / 衛星観測 / 海面フラックス / マイクロ波放射計 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,冬季日本海の大気海洋相互作用や日本沿岸域の降雪に対する海洋構造の影響を定量的に調べるために衛星観測データ,現場観測データ,気象解析データなどを複合的に用いた解析を行う.日本海南部を流れる対馬暖流の流路や強さの変動,それにともなって北緯40度付近に形成される極前線の位置や強度の変動が,海洋から大気への熱・水蒸気の輸送や降雪にどのような影響を与えるかを定量的に明らかにすることを目指す.
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研究実績の概要 |
本研究は,冬季日本海の大気海洋相互作用と日本海沿岸域での降雪に対する海洋変動の役割を明らかにすることを目的として,衛星観測データを複合的に利用し,現場観測・気象解析データと組み合わせた解析を行う.特に,マイクロ波放射計,散乱計,高度計など各種のマイクロ波センサの実用化により,雲の影響を受けない海面観測が可能になった.現在まで20年以上にわたるデータの蓄積があり,経年変動の研究への応用も可能になってきた.日本海南部を流れる対馬暖流の流路や強さの変動,それにともなって北緯40度付近に形成される極前線の位置や強度の変動が,海洋から大気への熱・水蒸気の輸送や降雪にどのような影響を与えるかを定量的に明らかにすることを目指す.寒気の吹き出しにともなう流下方向のスナップショットの解析から始めて,季節変動,経年変動の時間スケールまでをカバーする計画である. 今年度は,昨年度に引き続き整備した各種衛星観測データ,気象解析データ等のデータセットの解析を行った。天気図や静止気象衛星画像等を参考にして,冬季の寒気吹き出しが継続する期間を選び,スナップショットの解析を行った.計画時に想定していたよりも,熱・水蒸気輸送や降雪に関連する要因が非常に複雑であり,単純な相関解析等では,熱・水蒸気の輸送や降雪のメカニズムを解明することは難しいことが判明した。現在,複数の解析処方を試行することにより解決の糸口を模索している。また,スナップショット解析に加えて,月平均統計場の解析を行うことによって,新たな方向性を見出しつつある.同時に,対馬暖流系の一部をなす宗谷暖流の経年変動について,短波海洋レーダ,沿岸潮位,衛星高度計などのデータ解析による研究を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各種データセットの整備を完了し,冬季換気吹き出し時のスナップショットの解析を行っているが,計画時に想定していたよりも,熱・水蒸気輸送や降雪に関連する要因が非常に複雑であり,単純な相関解析等では,熱・水蒸気の輸送や降雪のメカニズムを解明することは難しいことが判明した。現在,複数の解析処方を試行することにより解決の糸口を模索中である。また,スナップショットの事例解析に加えて,月平均統計場の解析を行うことによって,新たな方向性を見出しつつある.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,スナップショットの事例解析と月平均統計場の解析を並行して行うことによって,海洋構造と海面熱フラックス,水蒸気輸送および降雪の間の関係を見定め,今後の解析の方向性を再検討する。日本海の海洋構造の変動が,大気海洋相互作用や降雪に寄与する,という仮説の実証を試みる.進捗状況によっては,研究機関の延長を申請することも検討する。
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