研究課題/領域番号 |
21K12207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
堀 雅裕 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (30509831)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 地球温暖化 / 北極河川 / 衛星リモートセンシング / 水温 / 流量 / 熱量 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、北極海流入主要河川の熱流束分布の解明を目的として、2017年に打ち上げられた日本の地球観測衛星GCOM-Cが備える高分解能熱赤外域バンドの観測データを河川監視に活用し、流域内の水温および河道幅の時空間分布を明らかにする。この研究により、北極海へ流入する河川流域内での融雪水、降水、凍土融解水等の淡水供給源毎の河川流入割合や流域内排水プロセスに関して新たな知見を得る。最終的に、大陸スケールの水循環変動の実態とそのメカニズム解明に有用な北極海流入主要河川の水温および河道幅の時空間分布データセットを作成する。
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研究成果の概要 |
日本の気候変動観測衛星GCOM-C搭載SGLIセンサの観測データを用いて北極海流入主要6河川の表面水温および河道幅を抽出し2018-2023年の 6年分のデータセットを作成した.解析の結果,各河川の水温は6-8℃程度,また河道幅も±30%程度の振幅で年変動していることが明らかとなった.SGLIによる河口付近の水温と地上観測に基づく河川流量をもとに6年間の北極海流入熱量を算出したところ,オビ,レナの両河川で7月の流入熱量に減少,増加の傾向がそれぞれみられた。このことから,近年,北極海流入熱量の流入パターンに変化が生じている可能性があることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の地球温暖化の進行に伴い,北極海氷が著しく縮小傾向にある。北極海氷の縮小には,単なる気温の上昇以外にも雲量の変化にともなう日射量の増減,海洋の温暖化,大陸河川からの淡水・熱量の流入量変動など多くの環境要因が複合的に作用しており,各要因の定量的な理解が必要となっている。大陸河川の水温や流量は,地上観測点での計測がこれまで行われているが,昨今の国際情勢や経済動向により近年観測網は縮小される傾向にある。本研究は,日本の人工衛星センサSGLIを活用し,北極海流入主要河川の表面水温と河道幅を世界で初めて高頻度に観測することに成功したもので,北極海流入熱量の変動メカニズム解明に貢献できると期待される。
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