研究課題/領域番号 |
21K12212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
松島 大 千葉工業大学, 創造工学部, 教授 (50250668)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ダストストーム / 熱慣性 / 土壌水分 / 地上植生 / 地峡風 / 半乾燥草原 / 湖沼谷 / モンゴル / PM10 / 強風 / チャネル効果 |
研究開始時の研究の概要 |
日本に飛来する黄砂の主な発生源の一つはモンゴルと中国にまたがるゴビ砂漠である。黄砂をもたらす程の強いダストストームが生じるには,細かい土粒子が堆積し乾燥した地表面上に強風が吹く必要がある。ゴビ砂漠のモンゴル側では東西に連なる山脈に挟まれた大きな谷があり、このためにダストストームを引き起こす強風が生じやすいと目されている。本研究は、この強風がどのように発生するかについて解明することを軸に、ゴビ砂漠でダストストームが頻発する条件の一端を明らかにする。
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研究成果の概要 |
モンゴル国・湖沼谷で地上気象・水文観測を行った結果、(1)冬季の土壌凍結期はダスト濃度が概ね低く経過してダストストームが生じず、(2)土壌凍結期以外では土壌水分量が増えるとダスト発生の抑制を示すデータが得られた。 湖沼谷を東西に吹き抜けダストストームを引き起こすような地峡風は、高層気象データの解析により多くの場合低気圧通過に伴う冷気の移流によることが示唆された。 衛星データ等を用いた土壌水分や地上植生の解析結果とダストストーム発生日の対応から、月別のダストストーム発生日数が月平均風速との弱い正の相関、地上植生(NDVI)との弱い負の相関、土壌水分と有意な相関が無いことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モンゴル国・湖沼谷は同国内で最もダストストームが発生する頻度が高いと目されている地域の一つであるが、本研究の結果により、ダストストーム発生という観点からは有意な砂漠化の傾向を見出さなかった。近年、モンゴルでは気候変動や家畜頭数が急増していることを背景として砂漠化が進みつつあるかどうかという議論が盛んであり、現状では砂漠化に進行する手前の分岐点にあるという認識を多くの専門家が共有している。本研究の結果は、乾燥地を対象とした中・長期的な環境変動の研究に貢献するとともに、対象地域における砂漠化への対応を立案する一助となることが期待される。
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