研究課題/領域番号 |
21K12214
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中村 和樹 日本大学, 工学部, 准教授 (60435500)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 流動速度 / 氷厚 / 氷河 / 定着氷 / 東南極 / 発散 / 底面融解 / 白瀬氷河 / ALOS-2 / PALSAR / CryoSat-2 / SIRAL / PALSAR-2 / ApRES / 流動 / 合成開口レーダ |
研究開始時の研究の概要 |
西南極では暖かい海水による棚氷の底面融解の加速が顕著であるが、東南極では対照的に冷たい海水を有する特徴を示している。しかし、東南極も底面融解強度の高い地域があり、南極氷床変動の理解への不確実性が生じている。本研究では東南極における氷河末端部の流動と氷厚変動を全天候型の衛星マイクロ波合成開口レーダデータと、GPSとアイスレーダによる現地観測データとの融合解析を実施する。これにより氷河下の底面融解に伴う氷河の流動変動の定量的な理解が可能になり、南極氷床変動の理解への不確実性解消の一助となる。
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研究成果の概要 |
東南極の白瀬氷河における流動および氷厚変動を衛星観測データと現地観測データとの融合解析により明らかにした。その結果、氷床接地線付近の流動速度は1996年以来24年間ほとんど変わっていないことが分かった。一方で、氷河末端を取り囲む定着氷が氷河のカービングを抑制することを、浮氷舌と定着氷の流動速度から定量的に明らかにした。さらに、定着氷の流出に伴う氷河の流動速度が加速する現象を氷厚の変化から調べ、流動速度の加速が氷厚を減少させることを連続の式により説明できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東南極は質量収支が均衡していると考えられてきたが、その質量収支や白瀬氷河についても沖合からの暖かい海水の流入による顕著な底面融解が報告されていることから、東南極においても雪氷が消耗傾向にあると考えられる。このことから、本研究による定着氷の挙動に関する大規模な調査は、氷河端における氷河氷と定着氷の相互作用に関するより良い理解を得ることができ、南極における溢流氷河の質量収支のより確実な推定に貢献することが期待される。
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