研究課題/領域番号 |
21K12216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
池田 恒平 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球システム領域, 主任研究員 (60726868)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ブラックカーボン / エアロゾル / 短寿命気候強制因子 / SLCF / 排出インベントリ / 東アジア / 化学輸送モデル / 短寿命気候汚染物質 / SLCP / インベントリ / 気候変動 / 大気汚染 |
研究開始時の研究の概要 |
東アジアにおけるブラックカーボン(BC)の最新の排出インベントリを用いたモデルシミュレーションを行い、観測データと比較し国別排出量推計値の精度を定量的に検証する。本研究では、IPCC第6次報告書をはじめとする様々な国際プロジェクトで使用されている複数の排出インベントリや社会経済シナリオのBC排出量を入力した過去10年程度のモデル計算を行い、各インベントリやシナリオの排出量推計値及びその長期変化の妥当性を評価する。また、季節別に解析を行うことによって、誤差の原因となる排出部門(家庭・産業・輸送部門など)を特定し、インベントリの改善点を見出す。
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研究実績の概要 |
CMIP6に参加した12の気候モデルによる過去再現実験と将来シナリオ実験の結果と東アジアにおけるブラックカーボン(BC)長期観測データと比較し、過去10年のBCの濃度レベルとトレンドの検証を行なった。CMIP6シミュレーションのマルチモデル平均の濃度レベルは観測よりおおよそ2倍過大評価していることがわかった。また、過去再現実験は観測の減少トレンドとは逆に増加トレンドを示した。SSP1-2.6シナリオ実験は、観測に近い減少トレンドを示すものの、濃度レベルは観測値よりも高かった。CMIP6モデルのバイアスの原因を調べるために、大気化学輸送モデルを用いてCMIP6で使用された排出インベントリと将来シナリオを与えた実験と、AMAPのSLCF評価報告書で使用された排出インベントリを与えた感度実験を行った。その結果、CMIP6シミュレーションのBC濃度の過大評価は中国からのBC排出量の過大評価が原因であることが示された。また、東アジアにおけるBC濃度の過大評価に伴うBCの直接放射強制力への影響を評価した。 大気化学輸送モデルによるタグ付きトレーサー法によるBCシミュレーションをアジア域で高解像度計算できるよう改良した。また、BCと同じく燃焼起源の短寿命気候強制因子であり、共通する発生源の多い一酸化炭素(CO)についてタグトレーサーモデルの開発を行なった。BCおよびCOタグトレーサー長期計算を行い、中国の風下域における地上観測データを用いて、2009-2022年までの中国からのBC排出量の長期解析を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大気化学輸送モデルを用いてBC に加えCOについても長期計算を実施し、中国からのBC排出量の長期解析を行なった。さらに、CMIP6の気候モデルによるBCシミュレーションと東アジアにおける長期観測データを比較し、過去10年間の濃度レベルと長期トレンドの検証を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施した大気化学輸送モデルの結果と地上観測データを解析し、中国からのBC排出量の長期推計を行う。その結果を用いてCMIP6の排出インベントリおよび将来シナリオの妥当性を定量的に検証する。
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