研究課題/領域番号 |
21K12217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
折笠 成宏 気象庁気象研究所, 気象予報研究部, 室長 (50354486)
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研究分担者 |
田尻 拓也 気象庁気象研究所, 気象予報研究部, 主任研究官 (40414510)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | エアロゾル-雲相互作用 / 雲凝結核 / 氷晶核 / 大気エアロゾル / エアロゾル・雲相互作用 / エアロゾル混合粒子 / 混合状態 / 実大気エアロゾル / エイジング |
研究開始時の研究の概要 |
実大気エアロゾルは、個々の混合状態や形状が複雑である。発生源からの輸送過程や雲内での雲過程を経て変質したエアロゾルのCCN/INP特性を把握することは、雲生成を詳細にモデル化する上で必要不可欠な情報である。混合状態のエアロゾルの雲生成がどの程度再現できるか、気候変動予測分野で重要な課題である。 本研究では、変質したエアロゾルがCCN/INP特性にどう影響するか定量化することを目的に、複数種エアロゾルによる多様な混合状態を生成し、雲生成の室内実験を行う。その結果をボックスモデルによる数値実験結果と比較検証する。両者の差異を分析し、インパクトの大きな物理プロセスの明確化とモデルの改良を行う。
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研究実績の概要 |
実大気中のエアロゾルの多様な混合状態が、雲凝結核/氷晶核特性へ与える影響を解明するため、雲生成チェンバーによる雲生成の室内実験、地上モニタリングシステムや電子顕微鏡等による大気エアロゾル粒子の地上観測、詳細雲微物理ボックスモデルとの比較検証を行うことでその影響を評価し、実大気中のエアロゾルサンプリングによる雲核能・氷晶核能の解析も行うことで実態調査を行っている。 これまで得られた実大気中や各種エアロゾルの雲核能・氷晶核能に関する観測・実験データの解析を継続し、実効的に氷晶核として働くエアロゾルの粒径に対する考察を進め、外部から付加する雲シーディング用のエアロゾル粒子に対する室内実験からのシーディング有効性評価、シーディングエアロゾルと背景エアロゾルによる雲活性の競合過程を評価するボックスモデルの改良や感度実験を実施した。 海塩粒子と人為起源粒子を外部混合した粒子の室内実験を行い、粒子数濃度の多寡による雲活性の競合過程を調査した。気象場の環境条件等を変化させた感度実験も行った。概して、エアロゾル粒子の総数濃度が低い場合、雲粒の成長や落下も速かったのに対して、総数濃度が高い場合は雲粒がゆっくり成長し雲粒数濃度も持続する特徴を示すデータが得られた。人為起源粒子を付加したことによる雲粒生成への影響も定性的に確認し、ボックスモデルによる数値実験との比較検証からその定量的評価に着手した。 また、航空機観測による実大気中のエアロゾルデータから、海塩粒子やダスト粒子などの混合状態が雲核能・氷晶核能に与える影響を考察した。特に、西アフリカ沖でのデータは、他と外部混合したダスト粒子が特徴的で雲核能も低かったのに対し、米国フロリダ沖でのデータは、硫酸塩粒子、海塩と内部混合したダスト粒子やバイオエアロゾル粒子などが特徴的で雲核能・氷晶核能が比較して高くなったことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
エアロゾル混合粒子の本実験データ取得ができるようになったが、これまでの成果をとりまとめる必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
まだ残っている実験条件を変えた追試を行い、人為的な混合粒子を用いた実験データの解析結果をとりまとめる。その結果とボックスモデルによる数値実験結果の比較検証もとりまとめる。
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