研究課題/領域番号 |
21K12226
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 群馬工業高等専門学校 (2022) 福島工業高等専門学校 (2021) |
研究代表者 |
羽切 正英 群馬工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (70435410)
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研究分担者 |
加島 敬太 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (90710468)
間中 淳 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90413757)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 分析デバイス / 目視定量 / 重金属 / 環境分析 / 比色法 |
研究開始時の研究の概要 |
溶態重金属を簡単な操作で定量分析する技術を開発することは,社会や産業の持続可能な発展や水圏の保護にむけた恒久的課題である。本研究では生化学的分析や臨床検査などに用いられるマイクロプレートに発色機能層を固定化し,水を『すくい取る』というワン・モーションだけで液中の微量有害金属を定量できる電力不要の分析デバイスを開発する。また,開発したデバイスについてラボ実験およびフィールド実験によって評価を行う。本研究を通じ,機器や電源を要さず色覚や修練度に依らない高精度の分析手法・分析デバイスを開発することで,世界中のだれもが安全な水を確保できる持続可能な社会の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
本課題では,水を『すくい取る』というワン・モーションで液中の微量有害金属を定量できる電力不要の分析デバイスの開発を目指している。具体的には液中の有害金属イオン種と反応する発色層をマイクロプレートのウェル内に形成し,プレートで水を掬ことで金属イオンを検知できるデバイスを開発する。この発色層は発色剤・妨害剤(発色抑制剤)によって構成され,意図的に妨害剤を添加することによって発色を抑制することで特定濃度以上でのみ発色するよう工夫される。この様な仕組みにより,色調ではなく色のON/OFFによって,また検体を掬うだけでイオン濃度の定量分析が可能となる。 その実現のため,これまでに (1)金属イオン濃縮能と金属イオン検知発色能を併せ持つ生体高分子素材の不溶化層(発色層)を形成する手法の開拓,ならびに(2) 一定以上の特定イオン濃度で発色する仕組みの構築について,実験的な検討を行った。その結果,水溶性バイオポリマーを基材とした銅イオン濃縮能を有するイオン検知発色層の構築が達成され,銅の環境基準である1~3 mg/L近傍において発色がON/OFFする比色検出系を構築できた。令和4年度は,金属イオン検知発色能を持つ生体高分子素材の不溶膜を,さらに高精度な定量分析が可能なものへ改良するとともに,論文発表と学会発表を行う成果を得た。一方,これをデバイス化するにあたっては,マイクロプレートのウェル底部への固定化方法,指示薬の変質の防止方法等,課題が多いことが明らかとなった。目的の達成のため,マイクロプレートのウェル内への固定化方法,固定化に用いる媒質の選択など種々の検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生体高分子と比色定量指示薬の組み合わせからなるイオン検知発色層の検討については,分担者との連携によって順調に成果が得られている。一方,色の有無によるON/OFF型比色検出系,ならびにそのデバイス化については,進捗がやや遅れている状況にある。これは研究代表者の異動により研究環境を再構築する必要が生じたことに起因する。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では,イオン検知発色層ならびに色の有無によるON/OFF型比色検出系の構築が完了し,令和4年度にデバイス化を完了する予定であったが,上記の理由で遅れが生じている。このため,令和5年度には遅れを取り戻すべく,デバイス化と分析性能の検証を実施する。また,令和3年度に得られた成果については論文化の準備が完了しているので,論文投稿ならびに国際会議発表を行う計画である。
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