研究課題/領域番号 |
21K12234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 正敏 東北大学, 災害科学国際研究所, 講師 (60515823)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | トリチウム / 低濃度 / 持続処理 / 有機結合型トリチウム / トリチウム水 / DNA二重鎖切断 / 細胞内局在 / 細胞影響 |
研究開始時の研究の概要 |
トリチウム影響の総合的理解やリスク評価に資する基礎的検討を行なうために、トリチウム水と比べて生物学的半減期が長く、トリチウム内部被ばくの長期化に関与する有機結合型トリチウム(OBT)の持続処理による細胞影響を検討する。核酸以外にもアミノ酸、脂質、糖に由来するOBTを幅広く解析に利用することでトリチウム影響に関連する知見を包括的に収集し、トリチウム水処理による細胞影響との比較によってOBTが及ぼす細胞影響への寄与についても検討する。
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研究成果の概要 |
正常ヒト上皮細胞を用いて、低濃度トリチウムの持続処理によるDNA二重鎖切断数の変化を細胞内へのトリチウム取り込み量や局在と関連付けて検討した。細胞内取り込み量はトリチウム処理濃度と相関したが、DNA二重鎖切断数の変動は短時間暴露ではトリチウム濃度に依存する一方で、持続暴露では濃度依存性を示さない処理開始後の時間帯があった。また、トリチウムが結合する有機物に特徴づけられる細胞内局在の影響を受けてDNA二重鎖切断数が変化することも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境レベルのトリチウムリスクは、既存の高濃度短時間暴露による知見からの外挿によって推定されるが、その正確性は不明であった。本研究では従来よりも低濃度かつ持続処理による細胞影響を検討し、環境レベルに近づけた濃度での持続処理の影響を既存の知見から推定することが困難な濃度範囲があることが判明した。また、有機結合型トリチウムにおいては細胞内局在を考慮する必要があり、種類によって細胞影響が異なることも明らかにした。いずれの場合でも環境レベルのトリチウムリスク評価には科学的知見を充足させる必要性が示された。
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