研究課題/領域番号 |
21K12235
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
金指 努 福島大学, 環境放射能研究所, 研究員 (60796910)
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研究分担者 |
和田 敏裕 福島大学, 環境放射能研究所, 准教授 (90505562)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 福島第一原子力発電所事故 / 渓畔林 / セシウム137 / 枯死葉 / カクツツトビケラ / カクツツトビケラ科 / 渓流生態系 / シュレッダー |
研究開始時の研究の概要 |
渓流沿いの森林(渓畔林)から渓流へ供給される枯死葉リターは、渓流生態系における重要な養分源である。そのため、渓畔林が放射性セシウムで汚染されると、枯死葉リターを介して渓流生態系も放射性セシウムで汚染されると予想される。しかし、枯死葉リターを摂食する、渓流の水生昆虫(シュレッダー)が、摂食によって放射性セシウムに汚染されているかは未解明である。本研究は、渓畔林から渓流に生息するシュレッダーへ、落葉を介した放射性セシウムの取込・排出過程を解明する。本研究により、森林の放射性セシウム汚染が渓流生態系の放射性セシウム汚染にまで影響を及ぼしているか明らかにできると期待する。
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研究実績の概要 |
福島第一原子力発電所事故による森林の放射性汚染に伴い、渓畔林から渓流への枯死葉供給による渓流生態系の放射性セシウム汚染を解明するために、枯死葉から枯死葉を餌資源とする水生昆虫へのセシウム137の移行について、前年度に引き続き、摂食実験を行った。Cs-137濃度が高いホオノキ枯死葉を、セシウム137濃度が低いカクツツトビケラ属幼虫(以下、カクツツ幼虫)が摂食することによる、カクツツ幼虫及びその排泄物のCs-137濃度の変化を明らかにした。 前年度の結果を踏まえて、摂食時間を最長120時間と長くし、4~120時間の中で、異なる7区分の摂食時間に増やした。しかし、カクツツ幼虫のセシウム137濃度はどの設定時間でも枯死葉より低くなり、枯死葉の摂食によるカクツツ幼虫の放射性セシウムの生物濃縮は起きていないと考える。また、摂食時間に関わらず、正の線形関係を示した。 カクツツ幼虫の排泄物のセシウム濃度は、摂食時間4時間で初期値よりも8倍以上の高濃度を示したため、実験に使用したホオノキ枯死葉が摂食され、既に排泄されていたと考える。排泄物のセシウム濃度は、摂食時間に関わらず、常にカクツツ幼虫よりも高くなり、摂食時間8時間以上で、ホオノキ枯死葉よりも常に高くなった。そのため、渓流に供給される枯死葉をカクツツ幼虫が摂食することにより、枯死葉よりもセシウム濃度が高い排泄物を、微細有機物(FPOM)として河川生態系に拡散させていることが推察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度内にサンプルのセシウム137濃度測定を完了する予定であったが、完了には至らなかった。この理由として、Cs-137濃度を測定するゲルマニウム半導体検出器の使用可能台数及び時間が前年度よりも少なかったことと、低濃度サンプルの測定に要する時間が想定よりも長かったためである。そのため、計画よりも進捗が遅れていると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
摂餌実験の比較対象として、カクツツ幼虫を採取した放射性セシウム汚染の低い渓流の枯死葉及びカクツツ幼虫の排泄物のCs-137濃度の測定を前年度から開始したが、セシウム137濃度が低く、測定に長時間を要するため、未測定のサンプルが存在する。これらの測定を今後も行い、測定が終了したら、国際誌に投稿する論文を完成させ、受理を目指す。 摂餌実験による枯死葉、カクツツ幼虫及びその排泄物のセシウム137の収支計算を行い、量的なセシウム137の移行について解析する。
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