研究課題/領域番号 |
21K12243
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
児玉 靖司 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 客員研究員 (00195744)
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研究分担者 |
白石 一乗 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 助教 (40347513)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | DNAリガーゼⅣ / DNA2本鎖切断修復 / 非相同末端結合 / 放射線感受性 / 姉妹染色分体交換 / 二動原体染色体 / テロメア不安定化 / DNA2本鎖切断修復酵素 / 染色体切断端再結合誤り / 神経幹/前駆細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、新規の遺伝子変異を導入したDNAリガーゼⅣ(Lig4)が引き起こすDNA2本鎖切断(DSB)修復欠損の生体影響を解析し、それによって生体恒常性維持に関するDSB修復機構のこれまでに知られていない役割を明らかにすることである。そのために本研究は、新規に作出されたLig4遺伝子変異マウスを材料に用いる。Lig4は、非相同末端結合の最終ステップで2つのDNA切断端を結合する役割を担う酵素である。これまでに知られている非相同末端結合に関わる修復酵素群の欠損による生体影響は一様ではない。本研究は非相同末端結合に関してこれまでに知られていない未知の役割を明らかにできる可能性がある。
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研究成果の概要 |
非相同末端結合は、生物にとって最も有害なDNA損傷であるDNA2本鎖切断(DSB)を修復する主要経路のひとつである。本研究は、非相同末端結合の最終ステップで、DNA切断端同士を結合する酵素であるDNAリガーゼⅣに新規遺伝子変異を導入したマウス(Lig4W447C/W447C)細胞を用いて、放射線被ばく影響を解析した。その結果、本研究は、Lig4W447C/W447C細胞が、DSB修復速度の低下、並びに修復誤りの促進、放射線致死高感受性、細胞老化の促進、テロメア不安定化などの特徴を示すことを明らかにした。本研究の成果は、生命恒常性維持におけるDSB修復経路の新しい局面を切り拓くものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非相同末端結合は、生物にとって最も有害なDNA損傷であるDNA2本鎖切断(DSB)を修復する主要経路である。この修復経路に関わるタンパク質分子の遺伝子に変異がある疾患では、免疫不全、成長遅延、放射線高感受性、高発がん性などの症状を呈する。本研究は、この修復経路の最終ステップでDNA切断端同士を結合する酵素であるDNAリガーゼⅣ(Lig4)に新規遺伝子変異を導入したマウス細胞の放射線応答について調べた。その結果、新規Lig4変異により、これまでに知られていない放射線応答異常が明らかになった。この成果は、生命恒常性維持において、DSB修復経路が必須の役割を果たしていることを示している。
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