研究課題/領域番号 |
21K12253
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
東 恒仁 北海道大学, 医学研究院, 助教 (90453018)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 不飽和カルボニル化合物 / プロテインキナーゼC / フェロトーシス / 細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
アクロレインやメチルビニルケトンなどの不飽和カルボニル化合物は、煙や自動車の排気ガス等に含まれることが知られている環境毒性物質である。ところが、その毒性メカニズムについては、よく分かっていなかった。不飽和カルボニル化合物は、肺や心血管系に作用してフェロトーシスという種類の細胞死を引き起こし、慢性閉塞性肺疾患や動脈硬化症の原因となる可能性が指摘されている。本研究では、不飽和カルボニル化合物による細胞死のメカニズムを明らかにすることで、これらの疾病の予防法や治療法の開発に貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
不飽和カルボニル化合物は、草木や油脂類等の有機化合物の不完全燃焼によって容易に発生する環境毒性物質である。代表的な不飽和カルボニル化合物としてはアクロレインやメチルビニルケトンが挙げられる。これらの化合物は高い細胞毒性を有するが、その毒性メカニズムは殆ど分かっていなかった。不飽和カルボニル化合物に曝露されやすい組織や器官としては、呼吸器系が挙げられる。呼吸器系の細胞傷害は、慢性閉塞性肺疾患や喘息、呼吸器系の易感染症など様々な疾病の危険因子であると考えられていることから、不飽和カルボニル化合物の呼吸器系への影響を調べることは、医学的にも意義深いと考えられる。令和5年度には、呼吸器系由来の培養細胞を対象に不飽和カルボニル化合物の毒性メカニズムの検討をおこなった。複数のヒト由来の呼吸器系細胞に不飽和カルボニル化合物を負荷したところ、プロテインキナーゼC(PKC)依存的な細胞死(フェロトーシス)が認められた。アイソフォーム特異的なPKC阻害薬を用いた薬理学的解析により、不飽和カルボニル化合物によって誘導されるフェロトーシスに関与するPKCはconventional PKCであることが強く示唆された。更に、様々な細胞系の不飽和カルボニル化合物の感受性に影響を与えている因子についても検討をおこなった。その結果、細胞内の還元型グルタチオンの量が感受性に関係していることを示唆する結果が得られた。以上の結果から、不飽和カルボニル化合物は細胞内の酸化還元状態に影響を及ぼすことでフェロトーシスを誘導している可能性が示唆された。
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