研究課題/領域番号 |
21K12262
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
|
研究機関 | 第一薬科大学 |
研究代表者 |
藤井 由希子 第一薬科大学, 薬学部, 准教授 (80733542)
|
研究分担者 |
原口 浩一 第一薬科大学, 薬学部, 特別研究員 (00258500)
小林 果 三重大学, 医学系研究科, 講師 (70542091)
原田 浩二 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80452340)
小川 和加野 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (90397878)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 天然由来ハロゲン系化合物 / ハロゲン / 塩素 / 臭素 / Naturally-occurring / 残留性有機化学物質 / フェノール性化合物 / Halogenated Compounds / 天然由来 / NHCs / 残留性有機化合物 / 環境保健 / 衛生化学 / 分析化学 / 曝露評価 |
研究開始時の研究の概要 |
食用海藻が生産する抗菌性ハロゲン化合物について、ノンターゲット分析を用いた網羅的探索、ヒトへの曝露量の解明、抗菌作用評価と腸内細菌叢との関連性の検討を行う。
|
研究実績の概要 |
海洋生態系によって生産される有機化合物には、陸生生態系が生産するものとは異なり、ハロゲンである塩素原子や臭素原子を豊富に含む化合物群がある。これらは天然由来ハロゲン系化合物(NHCs; Naturally-occurring Halogenated Compounds)と呼ばれている。その一部は人工の環境汚染物質(PCB類や臭素系難燃剤等)やその代謝物(hydroxy-PCBやhydroxy-PBDE等)、人工の抗菌剤(トリクロサン等)に類似したあるいは同一の構造を有している。このことからNHCsによるヒトへの健康影響が考えられるが、その詳細な生理活性やヒトへの曝露実態は明らかではない。さらに未同定のNHCsも環境中に存在すると考えられている。NHCsには、メトキシ基をもつ無極性NHCsと一つ以上のヒドロキシ基を持つフェノール性NHCsが存在する。本研究ではいまだ情報の少ないフェノール性NHCsを中心に新規化合物の探索、その生理活性の解明、食用海藻や海洋生態系での生物濃縮を通じたヒトへの曝露実態の把握を行うことを目的としている。 1年目の2021年度は海産物(海藻、海綿、貝類等)を対象にハロゲン固有のスペクトルパターンを用いたノンターゲットスクリーニングを行ったところ、新規フェノール性NHCsとして7および8臭素化体のbrominated dihydroxylated diphenoxybenzenes (diOH-BDPBs)を発見した。2年目の2022年度はNHCsのヒト曝露実態を明らかにするために、食事中のNHCsとヒト血清中のNHCsの測定を行った。日本人の食事中にはNHCが検出され、食用魚介類由来であると考えられた。また血清中にもNHCsは検出された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は海綿から新規のフェノール性NHCsを見出すことができた(Environmental pollution 2021, 289, 117933)。2年目の2022年度はNHCsのヒト曝露実態を明らかにするために、食事中のNHCsとヒト血清中のNHCsの測定を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度はNHCsのヒト曝露実態を明らかにすべく、食事やヒト血清の分析を行った。2023年度は2022年度の食事・血清中のデータを解析し、論文で報告するとともに、それぞれ検出された物質の抗菌活性の評価を行う。
|