研究課題/領域番号 |
21K12267
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
井上 淳 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (90514456)
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研究分担者 |
奥平 敬元 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (20295679)
加 三千宣 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 准教授 (70448380)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アスベスト / 球状炭化粒子 / 堆積物 / 汚染物質 / 震災 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,阪神大震災に伴う建物の倒壊や解体撤去により高濃度のアスベストの飛散が認められた神戸市内域の池などの堆積物について,鉛同位体年代測定により堆積物の年代を明らかにし,球状炭化粒子分析により震災時の層準を特定する。その上で,堆積物のアスベストの含有量分析を行い,過去50年間の環境へのアスベスト負荷量の経年変化を明らかにし,震災によるアスベスト飛散のリスク評価を長期的な視点から行う。
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研究実績の概要 |
日本におけるアスベストの使用は,2006年に全面禁止されているが,1970年頃の高度経済成長期から1990年頃までは,建材や繊維に広く使用されてきた.現在で はこうした時代に建設された建築物の修繕や解体・撤去に伴う周辺へのアスベスト飛散や建築従業者の被曝に伴う長期的な健康被害などが大きな問題となっている。 課題研究では,阪神大震災の被災地やアスベスト産業地域における池の堆積物を対象に各種年代測定や大気汚染指標物である球状炭化粒子分析などを行う。また,研究を通して簡易な堆積物中のアスベスト含有量測定方法を確立す る。そして,報告されている1980年以降の定期的なモニタリングデータやアスベスト使用量の変遷,震災後の詳細なモニタリングデータと比較することにより, ため池堆積物などが過去のアスベスト飛散量のアーカイブとして機能するかを明らかにする。最終的には,震災によるアスベストの大気中への放出やアスベスト産業地域での局所的な汚染量が,過去のアスベスト使用の歴史の中でどのように位置づけられるかを明らかにすることを目的としている。 本年度は,神戸市東灘区のため池堆積物の試料を採取し、試料の記載、分割、各種の基礎分析(コアスキャナー,帯磁率測定,CTスキャナーなど)に取り組んだ。また、アスベスト分析方法について種々の検討を進めた。来年度は、同試料を用いて年代測定、球状炭化粒子分析、アスベスト分析を進め、当該研究を遂行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は分析に用いる試料採取などについて研究をある程度進展させることができた。ただ、昨年度の遅れが効いており、当初の予定通りには進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、神戸市内で採取した試料を用いて鉛同位体年代測定、球状炭化粒子分析、アスベスト分析を進める予定である。アスベスト分析については、アスベスト産業域内で採取した試料についても同時に進める。
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