研究課題/領域番号 |
21K12270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
大河内 由美子 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (00391079)
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研究分担者 |
高田 久美子 麻布大学, 生命・環境科学部, 特任助教 (60270906)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | レジオネラ属菌 / バイオエアロゾル / 感染症発生数 / 気象因子 / 気候変動 / 気象条件 / 気象データ / エアロゾル / レジオネラ / 健康リスク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではレジオネラ症の増加に寄与する因子・経路として,大気エアロゾルを介したレジオネラ曝露に着目し,エアロゾル中のレジオネラ濃度変動に対する種々の気象学的因子の影響を評価し,そのメカニズムを解明する。具体的には,既存データを活用して気象条件とレジオネラ症発症の関連性を疫学的手法により探索する。また,異なる気象条件下において地表面からのエアロゾル発生量とエアロゾル中のレジオネラ属菌数を実測し,気象条件の変化による大気エアロゾル中レジオネラ濃度変動を明らかにする。さらに,得られた結果を統合して,将来的な気候変動の進展に伴うレジオネラ症リスク評価に資する情報蓄積・提供を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では大気中レジオネラ属菌の捕集方法を確立するため,BioSamplerを用いた捕集条件検討の基礎として,捕集液の選定を行った。対照系として滅菌Milli-Q水を使用し,あらかじめ一定量のレジオネラ属菌株を添加した4種の緩衝液を用いて1時間の通気を行い,通気後の各緩衝液中のレジオネラ属菌数の比較を行った。用いた緩衝液はpH 7.0の緩衝液2種(0.1 M リン酸緩衝液,0.1 M HEPES緩衝液)およびpH酸性の緩衝液2種(0.1 Mクエン酸緩衝液(pH 3.8),レジオネラ検出用酸処理溶液(クエン酸溶液 pH 2.2))の4種である。その結果,滅菌 Milli-Q水,0.1 M リン酸緩衝液,レジオネラ検出用酸処理溶液(クエン酸溶液 pH 2.2)が高い回収率を示したが,酸性溶液では変動が大きくなったことから,滅菌Milli-Q水またはリン酸緩衝液が捕集液として適すると考えられた。 一方,レジオネラ症発生数に影響する気象因子を探索するため,東京・神奈川・埼玉・愛知・大阪の各都道府県を対象として感染症発生動向調査に収録された2007-2022年(16年分)の各週の感染者数を用いて,降水量(合計値・1時間最大値),気温(平均・最高・最低),風速(平均・最大),湿度(平均・最小)との相関を評価した。通年では5地点で気温と湿度に弱い正相関,1地点(埼玉)で風速に弱い負相関が確認された。夏季(25-45週)に限定した相関では,レジオネラ症の潜伏期間を考慮して2週ずらした時に相関が強くなる傾向が確認され,平均相対湿度は3地点(東京・愛知・大阪)で中程度の正相関,2地点で弱い正相関(神奈川・埼玉),最少相対湿度は4地点(東京・神奈川・愛知・大阪)で弱い正相関が確認されたほか,合計降水量についても4地点(東京・神奈川・愛知・大阪)で弱い正相関が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
半導体の世界的不足の状況を受けて,サンプリングポンプの手配に時間を要したことに加えて,ポンプのトラブルも発生したため。
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今後の研究の推進方策 |
特に捕集実験が遅れているため,先行するレジオネラ症発生数と気象因子の相関解析の結果を踏まえて,捕集実験を実施する気象条件・場所の絞り込みを行い,確実に実施する。
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