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化学物質による自閉症発症のリスク評価:SHANK3のエピジェネティック変異解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K12277
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
研究機関宮崎大学

研究代表者

新井 良和  宮崎大学, 農学部, 助教 (90614769)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードエピジェネティクス / 環境化学物質 / 自閉症 / DNAメチル化 / ヒトiPS細胞 / SHANK3 / 神経分化 / 化学物質 / 自閉スペクトラム症
研究開始時の研究の概要

自閉スペクトラム症(自閉症)は近年子どもで増加する神経疾患である。SHANK3遺伝子変異は発症要因の1つであり、SHANK3にヘテロ接合型変異をもつ場合、正常タンパク質量の低下が疾患発症に関与する。しかし、同一家族内でも発症の有無に個人差があり、何がSHANK3発現量に影響して疾患発症を左右するのか、未だ不明である。本申請では、妊娠期の母体環境中に存在する有害な化学物質が、疾患発症における神経分化異常に関与する、という仮説のもと、SHANK3ヘテロ欠損ヒトiPS細胞の神経分化系を用いて、化学物質による神経分化異常を遺伝子の発現調整機構であるエピジェネティクスで解明する。

研究成果の概要

自閉症は子どもで増加する遺伝性の神経疾患である。しかし、遺伝子変異のみでは疾患発症を説明できず、環境要因との相互作用が懸念されている。本研究では環境要因として妊娠期の母体環境中に存在する化学物質に着目し、神経分化への影響を検証した。自閉症の原因遺伝子であるSHANK3にヘテロ接合型変異を加えたヒトiPS細胞では、神経細胞への分化能が低下した。さらに、5種類の化学物質(DEP、コチニン、S-421、Hg、Se)の複合暴露は、SHANK3ヘテロ欠損iPS細胞由来の神経細胞のさらなる分化能低下を引き起こした。このことは、環境要因と遺伝子変異の相互作用は、神経分化異常をさらに促進させることを示唆する。

研究成果の学術的意義や社会的意義

自閉症を含めた神経疾患は、遺伝子変異による遺伝的要因と、化学物質などの環境要因との相互作用で発症すると考えられている。しかし、これらの相互作用に着目した研究は依然として少ないのが現状である。本研究では、自閉症の原因遺伝子の1つであるSHANK3のヘテロ欠損ヒトiPS細胞を樹立し、環境要因として胎児期に晒される危険性のある有害な化学物質に着目した。解析の結果、遺伝的要因と環境要因の相互作用は神経細胞分化に影響し、さらなる神経分化異常を引き起こすことが示された。本研究は遺伝的要因と環境要因との相互作用を検証した新たな取り組みであり、自閉症を含めた神経疾患の発症機序の解明に繋がることが期待できる。

報告書

(4件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Epigenetic mutagen-like environmental chemicals alter neural differentiation of human induced pluripotent stem cells2023

    • 著者名/発表者名
      Arai Yoshikazu、Nishino Koichiro
    • 雑誌名

      The Journal of Toxicological Sciences

      巻: 48 号: 11 ページ: 571-583

    • DOI

      10.2131/jts.48.571

    • ISSN
      0388-1350, 1880-3989
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2025-01-30  

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